ラップ&ホイル市場、値上げの影響も少なく、使用シーン拡大で堅調に推移

文:山田 陽美
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食品保存に欠かせないラッピングフィルムとアルミホイル。生活必需品であることから値上げの影響も少なく堅調に推移している。各社ではラップ&ホイルの活用方法を訴求することで、需要拡大につなげている。

ラップ2大ブランドが性能の違いや使いやすさを訴求

 KSP-POSデータによるとラッピングフィルムの期間通算(2023年10月~24年9月)の金額PIは、2389円で対前年同期比1.1%増、数量PIは9.32で同1.4%減となった。物価高騰による節約意識により、食品保存のニーズが高まっており、ラップの使用頻度は堅調に推移している。

サランラップ
生活必需品であることから値上げの影響も少なく堅調に推移している(i-stock/FotoDuets)

 ラップ市場をリードしているのが、ポリ塩化ビニリデン製の商品。旭化成ホームプロダクツの「サランラップ」と、クレハの「NEWクレラップ」が2大ブランドで、市場の8割のシェアを占めている。

 ポリ塩化ビニリデン製のラップは密着性が高く、水蒸気の酸素をとおさないので食品の乾燥や劣化を防ぎ、におい移りもしない。こうした高い品質によりユーザーから支持されている。物価高により価格の低いポリエチレン製ラップに一部需要がシフトしたが、徐々に戻りつつあるようだ。

 旭化成ホームプロダクツでは素材の性能の違い、使いやすさをわかりやすく訴求してファンを広げている。

 また、「サランラップ」と「ジップロック」は共同で、「冷凍貯金」をキーワードにしたプロモーションを展開。食材やおかずを冷凍することのメリットや食材ごとの冷凍・解凍方法、レシピなどをブランドサイトで紹介し、新習慣「冷凍貯金」の浸透を図っている。

 クレハでは、「おにぎりプロジェクト」を実施しており、おにぎりづくりにラップを使うことで衛生的で簡単ににぎれることを訴求。また、この秋は「好きなおにぎりの具を叫ぶ」キャンペーンをSNSで実施している。

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