ギフト市場、23年度はカテゴリーによって明暗、食用油ギフトが健闘

文:山田 陽美
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中元や歳暮などのフォーマルギフトは縮小傾向にあるが、家族や友人間で気軽に贈り合うカジュアルギフトは堅調に推移している。コロナ禍で気軽に人に会いにくい状態が続いたことから、新たなコミュニケーション手段として定着しつつあるようだ。

ビール・ハムソーギフトは23年も前年割れが続く

 ギフト市場で大きなウエートを占める中元・歳暮市場だが、ユーザーの高齢化とそれによる利用の減少により、長期的に縮小傾向にある。次の世代に贈答の習慣が継承されていないことから今後も先細りが予想される。

 その一方で、家族や友人間で気軽に贈り合うカジュアルギフトは堅調に推移。とくにコロナ禍で気軽に人と会いにくい状況が続いたことから、気持ちを伝える手段としてギフトが選ばれているようだ。

日本のギフトイメージ
中元・歳暮市場はユーザーの高齢化と利用の減少により、今後も先細りが予想される。(写真はイメージ、iStockよりririe777)

 2023年の中元期(6~8月)と、歳暮期(11~1月)は、全体的に苦戦を強いられた。KSP-POSデータによると、ギフトの定番であるビールギフトは、中元期の6月の金額PIが1206円で対前年同期比8.1%減、7月は5019円で同1.2%減、8月は3050円で同4.3%増。歳暮期の11月は1464円で同1.7%増、12月は4999円で同1.4%減、1月は455円で同8.2%減となった。

 同様に厳しい状況となったのがハム・ソーセージギフト。中元期の6月の金額PIは704円で同9%減、7月は1847円で同9.1%減、8月は1118円で同6.7%減。歳暮期の11月は1566円で同0.8%減、12月は5282円で同8.1%減、1月は470円で同3.1%減。中元期、歳暮期ともに大きな落ち込みではないが、すべての月で前年割れとなった。

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