内食化で食パンは好調!雑穀系、プレミアム系が市場を底上げ

山田陽美(ライター)
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第一屋製パン 子供やシニア層から支持される みみまでおいしい「emini」

第一屋製パン営業本部 営業企画部 副部長 本田太氏
営業本部 営業企画部 副部長 本田太氏

 1999年に発売した食べやすいサイズの総菜パン「ひとくちつつみソーセージ」。今までになかったミニサイズのソーセージパンは発売から好調に推移しており、昨年は巣ごもり生活によりさらに伸長した。さまざまな年齢層に支持されている主力の「同ソーセージ」に加え、「同ハムマヨネーズ」もラインアップ。引き続き、好調に推移している大袋タイプの強化を図る。

 また、同社ではキャラクターパンにも力を入れており、お楽しみシール付きのポケモンパンとプリキュアパンは低年齢層から支持され、主力商品になっている。今年2月には「映画ドラえもんパン」を発売した。さらに今年は3本目の柱となるキャラクターパンを投入する予定だ。

 食パンでは「子供に笑顔で食べてもらいたい」という思いを込めて開発した「emin(i エミニ)」を展開。石臼挽き全粒粉と湯種製法で、そのまま食べてしっとり、みみまでおいしく食べられるのが特徴だ。発売当初、量販店で1枚入のサンプリングを展開し、口どけのよさから子供はもちろん、シニア層まで支持され、リピーター育成につながっている。

第一屋製パンの商品

 昨年からは、インスタグラムを使ったユーザーとのコミュニケーションも行っている。なかでも好評なのが、「emini」を使って具材で顔をつくる「顔パン」をインスタグラムに投稿してもらう「顔パン部」の取り組みだ。また、パンを通して食べることを伝える食育プロジェクトを実施。食育の情報や実践方法を発信するコラムなど、パンを通して食の大切さを伝える活動を行っている。

山崎製パン ひと手間でおいしく仕上がる「リベイク」で既存品を底上げ

山崎製パン営業統括本部 マーケティング部長 早川史朗氏
営業統括本部 マーケティング部長 早川史朗氏

 コロナ禍の巣ごもり需要で食パンが好調に推移している。山崎製パンの主力ブランド「ロイヤルブレッド」も好調を継続しており、今年1月も対前年比20%増を記録した。バターの風味とコクのあるしっとりした食感が支持され、新たなファン獲得につながっている。

 今年は健康志向を背景に注目が集まっている雑穀パンのラインアップを強化。1月には、「ダブルソフト全粒粉入り」をしっとりやわらかな食感を高めてリニューアル。2月には、12種類の穀物をバランスよくブレンドした「やわらか十二穀ブレッド」と、大豆粉を配合し、糖質を抑えた「糖質ひかえめブレッド」を発売した。4月には、食塩の使用量を5割にした「超芳醇 塩分50%カット」を新発売。塩分控えめの食パンのニーズは高く、流通からも注目を集めている。これらの商品には自家製発酵種ルヴァンを使用し、しっとり感を高めるとともに風味やコクのある旨みを引き出した。

山崎製パンの商品

 同社ではパンをよりおいしく楽しんでもらうためのレシピサイト「ヤマザキッチン」を展開しており、2020年のユーザー数が200万人を超える人気サイトとなっている。また、同社では既存の商品を、ご家庭でオーブントースターで軽く焼いてよりおいしく楽しんでもらう「リベイク」を提案。昨年九州地区で大好評だったのが、「北海道チーズ蒸しケーキ」をオーブントースターで温めて、バターとメイプルシロップをかける食べ方。この春から商品に「リベイク」シールを貼り、ひと手間でおいしく仕上がることを訴求し、既存品の底上げを図っていく。買いおきに適した複数個入りの菓子パン「ベイクワンシリーズ」にも注力。さらに毎年人気の「春のパンまつり」を実施し、売場を盛り上げていく。

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