コロナで激変した消費・買い物傾向 食品スーパーの商品政策はこう変わった!21年はこうなる!!
ニーズの変化を汲み取り顧客に選ばれる店をめざす
コロナ禍で変容した消費ニーズをみていくと、外食の代替として、嗜好性の高いカテゴリーや味・品質を追求した商品のニーズが伸長している一方、ふだんの食生活ではより低価格を求める需要も高まるなど、消費の「2極化」が進んでいることがわかる。
また、感染リスクを避けて1店舗でまとめ買いする傾向が強まっていることから、お客のメーンの買い場に選ばれなければ客数を伸ばすことはできない。ヤオコー(埼玉県)の川野澄人社長は「ヤオコーをメーンの買物場所にしてもらうため、アイスやスナック菓子など、とくに若いファミリー層が好む商品の価格対応を引き続き進める必要がある」と発言している。
今後は顧客に選ばれる店舗になるため、コロナ禍の消費行動の変化に対応しながら、自社の強みを生かしたMDを構築していく必要がある。そうしたなか、自社で開発するプライベートブランド(PB)は、独自性の創出や利益確保、価格訴求といった点で、今後ますます重要性が高まるだろう。バロー(岐阜県/田代正美社長)は20年10月、PBを刷新。以前の4種類から2種類にブランドを集約し、来店動機となるような味・品質の商品を開発していく方針だ。
イトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)はここ最近、コロナ禍で低迷している総菜部門の売上を補填するため、常温・チルド・冷凍の3温度帯で弁当を販売している。常温では店内調理の出来立てを訴求する一方、チルドでは素材の鮮度を生かしつつも3日ほど、冷凍では半年ほど保存可能な利便性を提供しており、顧客の都合に応じて商品を選べるようにしている。
小型SMのまいばすけっと(神奈川県/古澤康之社長)は、20年11月に「ウィズコロナ」に合わせた売場面積80坪タイプの「まいばすけっと祐天寺駅通り店」(東京都目黒区)を開業。簡便商材を集めた「楽ッキング」コーナーを生鮮各売場に設けたほか、冷凍ミールキットなど冷凍食品の品揃えを大きく拡充するなど、新たな消費者ニーズを満たすフォーマットの構築を進めている。
本特集で取り上げている9社は、いずれもコロナ禍での消費者ニーズの変化にスピーディに対応し、いち早く新たな商品開発・売場づくりに取り組んでいる。各社の戦略を参考にすることで、今後のMDの方針を決めるうえでのヒントとなるはずだ。
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