コロナで激変した消費・買い物傾向 食品スーパーの商品政策はこう変わった!21年はこうなる!!
調理ニーズの高まりで生鮮食品好調
では、具体的にコロナ禍で消費者ニーズはどのように変化し、各社はどのように対応していったのか。
緊急事態宣言が発令された20年4月以降は、感染リスクを避けるため、来店回数を減らし、複数店舗を買い回らず1店舗でまとめ買いするという購買行動がみられるようになった。この結果、多くの企業において、前年と比較して既存店ベースの客数が減少した分、客単価は上昇している。加工食品や冷凍食品など、備蓄に適したカテゴリーがとくに売上を伸ばした。
また、家庭での時間が増えたことで調理ニーズが増加。生鮮食品や調味料などの売上が伸長した。ヨーク(東京都/大竹正人社長)は、売上が伸長している生鮮食品の味や品質を保ち、消費者の信頼を損なわないようにするため、生鮮各部門の売上上位10品目については、同社の求める水準を満たす産地や取引先を複数確保するなどの対策を取っている。
そのほか、飲食店や居酒屋に行く機会が減ったことから、その代替となる商品のニーズも高まっている。「家飲み」需要の増加により酒類の売上が伸長しているほか、「プチ贅沢」のニーズを満たすスイーツなど嗜好性の高い商品を買い求める人も増えた。また、「家でも本格的なメニューが食べたい」というニーズを受け、総菜部門の不調の対策として、専門店レベルの味・品質を追求した総菜を開発・拡充する企業もみられる。
以前から一定のニーズがみられた健康志向の商品は、コロナ禍でますます需要を高めている。納豆やヨーグルトなど、免疫力アップにつながる商品がよく売れており、こうした商品を拡充するSMも少なくない。
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