コロナ禍における購買行動の変化と、求められるMD施策とは!?
30・40代の客が増加新たな切り口の棚割りも導入
―1期から3期でMDや販促はどのように変化しましたか?
京本 1期はとにかく商品が足りなくて、定番品が入ってこないためほとんどがスポットでの展開でした。2期も商品が足りない状態は続きましたが、それでもある程度カテゴリーが絞られてきて、たとえばお好み焼き粉、ホットケーキミックス、ドライイースト、パスタに集中して商品確保を行いました。
8月末から商品入荷が潤沢に回復したので、定番の商品を何とか供給し、エンドでコープ商品の販促を強化しました。オリジナルブランドを組合員にしっかりと打ち出すことで、プライベートブランドとしての価値がワンランク高まったと感じています。
チラシ販促について、1期の頃は店内の過密を避けるために中止し、2期の途中から少しずつ戻していきました。3期に入ってからは競合のN B商品の価格が下がる傾向にあったので、こちらも調理油などの定番品を中心に価格を下げて対抗するような施策を採っています。
―この状況下で客層も変わったのでしょうか?
京本 そうですね。これまでコープデリはシニアの組合員さんの来店比率が多かったのですが、コロナ禍を機に「近くの生協を利用してみよう」と考える30・40代の若い世代の来店が増え、結果として組合員さんの増加につながっています。
新型コロナウイルス感染拡大期の分類別売上構成比(図表)を見ていただくとわかるように、30・40代の利用の底上げが全体供給高の底上げに貢献しており、今後はこの若い世代の客層に継続利用してもらえるような商品施策や売場づくりを行うことが重要でしょう。
―新型コロナウイルスの影響によって売場を変更した点はありますか?
京本 たとえば、製菓用の粉類については、これまで重要カテゴリーの扱いではありませんでしたが、今回の消費動向を機に主通路側に近づけるなど、配置やゾーニングを見直す必要があると考えています。またココアやレギュラーコーヒーといった嗜好飲料、アレルギー対応といったカテゴリーについても、旧来から続く枠組みを取り払い、新たに組み直すことが求められています。
当組合はID-POSを導入し、メーカーさん、ベンダーさんが参加する研究会を行っていますが、各バイヤーはID-POSの年代層別による分析をとくに重視しています。研究会を通じて今までにない括りでのMDを行うことが、他社との差別化にもつながっています。
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