レシートは語る第13回 既存店好調のサミット ライフ、ヤオコーとの比較で見えた意外な評価

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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サミットは10種類もの
QR・電子決済に対応!

 続いて、サミットの「決済方法の豊富さ」の満足度が高かった要因を深掘りするべく、POB会員が投稿したレシートデータから利用者の決済方法を比較した(分析期間:2023年2月~2024年1月)(図表3)。

図3 その結果、サミットは「QR・電子決済(33.49%)」が他2チェーンに比べて10pt以上高い結果となった。これは、POB会員はポイントを貯めることにアクティブな属性を持つことを考慮しても高い利用率と言える。

 調べると、サミットは「PayPay」「楽天Pay」「d払い」など、QR・電子決済を10種類から選べる。一方、他の2チェーンは、同様にスマホ決済は利用できるものの、ライフでは3種類、ヤオコーは独自のスマホ決済「ヤオコーPay」のみと限定的である。

 このようにQR・電子決算において幅広い選択肢を提供していることも、「決済方法の豊富さ」の高評価につながっていると想定される。

 これらの調査結果から、サミットは「接客のよさ」「店の雰囲気」と、「決済方法の豊富さ」をはじめとした利便性の高さが評価を得ており、同社直近の好業績を後押ししていると考える。業態を超えた競争が激化するなか、商品や価格など以外に、こうした要素も支持を得るポイントとなることを示唆していると言える。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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