ダイヤモンドダイニング、サクサのネットワークカメラシステム全店導入で店舗サービス向上

2012/02/21 16:12
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【ネットワークカメラシステム最新活用事例】

外食業界の常識を打ち破る「マルチコンセプト」戦略を打ち出し、外食不況といわれるなか、破竹の勢いで急成長を遂げた注目株、ダイヤモンドダイニング(本社東京/松村厚久社長)。2010年に、当初の目標だった「100店舗/100業態」を達成すると、M&Aによるブランド展開にも着手し、2012年2月には店舗数229店に達するなど、その勢いは衰えを知らない。年明け早々には新体制を発表、次の目標である「1000店舗/1000億円」へと大きく舵を切った。グループウェア、勤怠管理、販売管理、ネットワークカメラシステムなどの情報システムの整備も行い、次のステージに向けた成長戦略が注目されている。

 

株式会社ダイヤモンドダイニング
代表取締役社長 
松村厚久

業界の常識を逆手にとった戦略で急成長

 外食チェーンでは、強い業態を確立して、そのコピーを大量につくっていくのが一般的な基本戦略である。この方式は急成長を可能とするが、弱点もある。あらかたの主要駅前に出店してしまうと、効率のよい都会には出店余地がなくなってくる。また、業態の力が弱まってくると、一斉に、全店の業績が悪くなっていくのだ。

 

 これに対して、マルチコンセプト戦略には、開発の柔軟性が高い。施設の広さや形、雰囲気にチェーンの縛りがないし、同じビルに数店を同時に展開することさえ可能。このため、全100店のうち8割が山手線内の繁華街にある。店どおしが近いため、人手が少ないときに店員がカバーし合って、人件費を抑える仕組みもできた。

 

総席数150席、日本各地に加えて、海外産のカキも堪能できる、本格的なオイスターバー「MAIMON GINZA(マイモン ギンザ)」 銀座らしい、スタイリッシュな大人の隠れ家をイメージした空間演出が人気

 なにより、100店舗もの異なる業態を開発してきたことで、きわめて高い業態開発力が備わったことがある。100業態を開発するためには、アイデア段階から入れると、莫大な数の開発テーマが必要になる。しかも、どこかの借り物、アイデアの使い回しではない。誰もやっていない、どこかの真似ではない新しい業態を一からつくる、という難しい作業が必要になる。

 

 このため同社では、デザイナー、販促企画、スーパーバイザーなど各分野の専門家からなる開発専門部隊「チームファンタジー」を結成し、実際店舗開発の場を通して実践的に鍛え上げてきた。結果的に、どこにも負けない強い業態開発力を身につけることに成功した。

 

 当面の目標だった、「100店舗/100業態」を達成した同社は、すでに次の目標へ走りはじめている。業界で大手とされる「1000店舗/1000億円」の大台を超える挑戦だ。

 

 このために、マルチコンセプトの縛りをとき、次の展開として、特に強い業態を選び20店クラスの小型チェーンを複数運営する「マルチブランド」戦略に切り替えた。「調べてみると、20店舗クラスのチェーンがもっとも利益率がいい。20店×50ブランドで1000店に届く」( 松村社長)。

 

事業規模に耐えられる強い企業体質の整備が課題

 すでに現在、M&Aも含めてグループの店舗数は200店を超えた。また、海外にも展開する。手始めに、2011年11月、ハワイの大型日本食レストラン「SHOKUDO」を買収。今後は、同ブランドや、日本で展開しているブランドで全米進出をねらう。

 

 同時に課題も浮上した。新たな目標に向かって会社を次の成長ステージに乗せるためには、その前提として、事業規模に耐えられる強い企業体質をつくらなければならなかった。同社では、2011年は「我慢の年」と位置づけて、社内の体制整備に着手。既存店のてこ入れ、メニュー改革、スクラップアンドビルドに着手。さらに、これまでは店舗に一任してきた管理についても、一定の役割を本部一括して担う体制を整え、グループウエア、勤怠管理、販売管理などの情報システムの整備も行った。その一環として初めて、ネットワークカメラの導入にも踏み切った。

サクサのネットワークカメラシステムを導入

 ネットワークカメラシステム導入のきっかけは、店舗への侵入事件などが世間を騒がせたことにある。「冷蔵庫の食材に異物を混入されでもしたら大変」(松村社長)。

 

 店舗の安全を守るために、管理するシステムが必要で、なんらかの一貫した管理体制が求められていた。

 

 そこで、防犯カメラ以外も含めて、適したシステムの検討を進めた結果、サクサ(本社東京/越川雅生社長)から提案のあったネットワークカメラシステムの導入を決めた。

 

 決め手は、(1)カメラの画質がよい、(2)コストが安い、(3)拡張性が高いこと。一般的なネットワークカメラシステムは、各店にカメラとレコーダをセットで設置しなければならないが、サクサのシステムは、レコーダ1台でカメラは16台まで、本部で集約しておける。そのぶんコストが圧倒的に安かった。さらに、マルチベンダーに対応しているため、機能、価格、性能を比べて、もっともニーズに合ったカメラシステムを導入できた。

 

全店の状況をライブ映像で見られる

 

 回線は、インターネットVPNを利用。LAN環境にあるところなら、どこでもパソコン1台で200店以上の店舗に設置した、すべてのカメラ映像をライブで見ることができ、巡回監視が可能になった。これにより、スタッフのモラルアップにつながったのはもちろん、店の混み具合やスタッフの動きなどもある程度詳しい情報を本部確認することができる。

 

 こうした機能を利用し、将来的には、店舗管理だけではなく、サービス向上やスタッフ管理などへ積極的に応用していく構想もある。

 

 さらに、付属の統合管理ソフトウェアには、NVR-116本体とカメラの位置を視覚的に表示する機能が搭載され、マップ上にライブ映像が表示される。このため、直感的に、どこで何が起きているかを把握することができ、仮に何かの事故や不正、ミスが起こったときでも素早く発見して対応し、スタッフや来店客の安全を守り、あるいは、後で再生して事故やミスの原因を究明するのに役立つ。

 

 「1000店という大台をめざすに当たって、新しいマネジメントの仕組み、マーケティングの取り組みが必要。ネットワークカメラは、その一つのツールになる可能性がある」 (松村社長)として、今後、さまざまな活用方法を検討していく考えだ。

 


 

ダイナミックな成長に貢献していけるシステムを今後も提案していきたい

 

サクサ株式会社
ソリューション営業本部
映像販売チーム
西郷知彦

 

 今回のダイヤモンドダイニング様については、(1)カメラの画質がよい、(2)トータルコストが安い、(3)拡張性がある、という点を評価していただきました。とくに、店のコスト意識が非常に高く、コストにはきわめてシビアとうかがっていただけに、価格を評価していただいたのは自信になりました。また、当社のネットワーク・ビデオレコーダは多くのカメラメーカーに対応しているので、店舗網を拡大していったときに、そのときもっともニーズに合った機種を適宜導入できる点も評価していただいたポイントです。

 

 今回は、200店以上の店のすべてにカメラを設置するのに2カ月というスピードがもとめられたわけですが、その間にも新しい店舗が次々にオープンしていくという展開の速さは圧巻でした。

 

 タイトな日程の中での厳しい作業になりましたが、ダイナミックに成長していくダイヤモンドダイニング様とともに、その圧倒的な勢いと熱気の中で仕事ができたことは、私にとっても貴重な経験になりました。

 

 今後、ダイヤモンドダイニング様は、さらに、1000店舗という大きな目標に向けて歩んでいかれるわけですが、私どもとしても、売上に貢献できるシステム、製品を随時、ご提案させていただきながら、成長のお役に立ちたいと願っています。

 

【お問い合わせ先】

サクサ株式会社 ソリューション営業本部 営業企画部

〒108-8050  東京都港区白金1-17-3 NBFプラチナタワー

TEL. 03-5791-5581

http://www.saxacamera.com/

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