菊水酒造の家飲み需要を喚起する販促とは?
日本酒をもっと面白くするシーン提案 缶つまとのコラボも
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は生活者のライフスタイルを一変させ、日本酒市場にも大きな影響を与えている。日本酒は長年ダウントレンドにあったが、コロナ禍により飲食業が軒並み休業を余儀なくされたことで、業務用の売上が壊滅的な打撃を受けた。その分、家庭用で数字が取れているメーカーもあるが、とくに地方酒については外食業や観光による割合が高いため、厳しい状況が続いている。
そんななか、菊水酒造は家庭用の比率が元々、高かったことに加えて、「ふなぐち菊水一番しぼり」という看板商品をしっかりと定番棚で展開してきたことが奏功し、堅調に推移しているという。
また、ユーザーに安全で品質の高い商品を届けるため、HACCP準拠による適正な品質管理を実践。原材料についても生産地別、生産者別に、貯蔵・管理し、カドミウム定量検査や残留農薬検査といった安全・安心への取り組みにも力を入れている。
今期はコロナ禍による内食需要の高まりを受け、家庭で酒を愉しむ機会が増えることを鑑み、1人でも、家族でも楽しめるような家飲みのシーン提案を充実させていく。
6月には食品卸の国分「缶つま」とコラボレーションし、オンラインイベント「ふなぐちに合う缶つま選手権」を実施。WEBサイトで投票を行い、一般から有識者まで2000人以上の投票があった。1位に「広島県産 かき燻製油漬け」、2位に「北海道・噴火湾産 ほたて燻製油漬け」、3位に「宮崎県産 霧島黒豚角煮」が入選。菊水酒造では、この結果発表を基に店頭でも、「缶つま」と「ふなぐち菊水一番しぼり」のクロスMDを展開していく。
食とのマリアージュ 冬は「にごり酒×チゲ鍋」
食とのマリアージュは同社が長年力を入れてきた戦略のひとつだ。味香り戦略研究所の協力のもと、味覚センサーを使用し料理と菊水酒造の味の特徴を「さっぱり」「こってり」「あっさり」「しっかり」の4味覚に分けて科学的に分析・数値化。ロジカルで普遍的な食と日本酒の相性を研究している。
菊水酒造のホームページでは、味覚センサーによって導きだされた、同社の日本酒と料理の相性を多数紹介している。店頭での成功事例も多く、たとえば新潟県内のSMではクリスマス向けの提案として「ふなぐちスパークリング」の売上が前年の2倍まで伸びたという実績も出ている。
今冬は、店頭販促として、厳選した新潟県産米を 100%使用したにごり酒のロングセラーブランドにごり酒「五郎八(ごろはち)」とチゲ鍋の提案を行う。同品はにごり酒ならではの乳白色が特徴で、米の粒々感と濃厚でコクのある味わいが口いっぱいに広がる。にごり酒「五郎八(ごろはち)」 は季節限定品ということもあり、秋口になると全国から発売日に関する問い合わせが寄せられるロイヤルユーザーの多いブランドでもある。清酒に比べて濃厚な飲み口のため、濃いめの味付けの料理に合わせやすく、辛味のある「チゲ鍋」でもお互いの旨みを引き立てあう。
そのほかにも菊水酒造ではI n s t agramやFacebook、TwitterなどのSNSを活用した情報発信にも力をいれる。とくにTwitterでは毎月27日を「ふなぐちの日」とし、オンライン飲み会を実施。また酒蔵の見学やセミナーなどもオンライン上で行い、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしている。
流通向けの施策としては以前行った消費者キャンペーンで入手した約15000人のユーザー情報を活用し、メールマガジンを配信。新商品や商品の取扱店舗、流通の販促情報などを案内することができ、店への送客にも生かすことができる。
同社では今後も飲み方提案や食とのマリアージュ、ユーザーとのコミュニケーションをきめ細やかに行うことで、日本酒市場を盛り上げていきたいとしている。
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