食品表示検定は“食”に携わる業界人の必須スキル
後期試験受付を開始
食の安全・安心に関わる情報を適切に表示する力を養う認定制度としてメーカーや小売業、学生など幅広い層が受験する食品表示検定。22年度より初級・中級試験にはCBT方式を採用。約300の会場から日時と会場を選択して受験でき、多くの志望者から好評を得ている。
約16万人が受験、品質管理に役立つ実用的資格
一般社団法人食品表示検定協会が主催する食品表示検定は、食に関する知識の提供を通じて食の安全・安心の向上に寄与するために実施している検定制度だ。
食品表示に関する法制度は食品表示法の施行により整理されてきたが、法令をまとめた食品表示基準は改定事項やQ&Aも合わせると1000ページ以上にもなる複雑な体系となっており、今後も改正され続けることから常に最新の情報を入手することは困難だ。食品表示検定協会では、食の生産、製造、流通等の現場で専門知識が必要な業界人に、食品表示に関する学習の機会として食品表示検定を活用してもらいたいとしている。
2009年からスタートした食品表示検定の累計受験者数は22年7月現在で16万31人、累計合格者は22年1月現在で7万4505人となった。
初級は食品表示の基礎をまとめたもので食品メーカーや流通業の社員、パートタイマーのほか、一般消費者や食品業界への就職をめざす学生も多く受験。中級は食品表示の専門的な知識が含まれるため、商品開発や品質管理の担当者、マネージャークラスが多く受験する。上級は食品表示のエキスパート向けで、食品表示を作成する実務者や品質管理部門の責任者、食品表示に関する機関やコンサルタントが受験している。
これまで初級・中級の試験については全国統一の試験日にペーパー方式で実施していたが、22年度前期よりコンピューターによるCBT(Computer BasedTesting)方式に移行。この試験は全国300か所以上あるテストセンターの中から自身で会場を選択し、約3週間の試験期間内から希望の日時を選んで受験予約ができる。22年前期試験では多くの志望者から「日時を選び近隣の会場で受験できるので利便性が高い」と好評で、試験開始以来過去最高の受験者数を記録。9月よりスタートする後期試験でも、初級・中級の試験にはCBT方式を採用する。
受験対策としてテキストや問題集、セミナーも充実
受験対策として、それぞれの等級に合わせたテキストや問題集も発売されており、認定テキスト・問題集は、全国の書店やオンラインストアで購入できる。
さらに、自分のペースで学習可能なオンデマンド講座や会場で集中的に学習できる公開講座、上級向けの実践演習、企業や団体向けの派遣セミナーも受験者はぜひ活用したいところだ。
食品表示の重要性が増したこともあり、近年は、食品表示検定の受験を推奨する企業や団体も増え、合格者に与えられる食品表示診断士の肩書を名刺に入れる企業も増えてきた。さらに食品表示診断士の資格を採用の応募条件とする企業もあり、食の品質管理のための有用な資格として認知されている。
食に関する表示基準は常に変化し続けており、正しい表示を行っているつもりでも誤表示となる恐れもある。食品表示検定協会では食品表示検定での学習を通じ、食品表示に関する正しい知識を身に付け、食の安全・安心の向上に寄与してもらいたいとしている。