中国ECの拼多多が「返品不要の返金サービス」を始めた意外な理由とは

文:牧野 武文(ライター)
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 中国のECが今日の勢いまで拡大してきた理由の一つに、手厚い消費者保護が挙げられる。同国の「消費者権益保護法25条」では、ECなど通信手段を用いて購入した商品は7日間、理由を問わず返品できると定められている(鮮度劣化する食品などを除く)。

拼多多のアプリ
拼多多がアプリ上で掲げる消費者保護ポリシー。7日間であれば理由を問わず返品ができ、配送が遅れたらクーポン進呈、届いた商品が偽造品であれば購入価格の4倍の額を返金など手厚い内容だ

 この制度が消費者のECの利用を促した。ECでは現物を確認できないという不安がつきものだが、中国ではこの「7日間無条件返品制度」の存在により、手元に届いてから不満があればすぐ返品して返金を受けられるのである。

 そのため、独特の購入スタイルも広がることになった。たとえば洋服や靴を買う場合、最初に3つくらいのサイズをまとめて購入し、家で試着してから不要なサイズのみを返品する。実際の色味がよくわからなければ、とりあえず数種類の色を購入してみて、現物を見てから同じように不要なものだけを返品する、といったものだ。こうした購入方法は販売業者にとっては負担が増えるため推奨こそされていないものの容認はされており、いわば“賢い買物テクニック”として認知されている。

 一方で、この制度を悪用する消費者もいる。なかでも議論を呼んでいるのが、ファッションブロガーなどが洋服を

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