マンハッタンに新業態投入へ!ホールフーズ最新戦略
アマゾン(Amazon.com)のリアル店舗事業の中核をなす、ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market:以下、ホールフーズ)。アマゾンの最新技術を導入して買物体験の向上を図りつつ、直近では久々の新フォーマット開発が明らかになり、再び注目度が増している。
「JWO」全面撤去の背景
筆者は今年4月28日、ホールフーズのとある店舗を視察する機会があった。アマゾンのレジレス技術「JWO(ジャスト・ウォーク・アウト)」を導入した、ロサンゼルス郊外のシャーマンオークス地区にある店舗だ。
しかし実際に訪れてみると、顧客や商品の動きを追跡するJWOのセンサーやカメラなどがすべて撤去されていた。スタッフに尋ねるとその5日前には取り外されていたそうで、理由を問うと”The customers didn’t like it(. お客さまに不評だったから)”というシンプルな答えが返ってきた。JWOの導入店舗の場合、出口に退店用のゲートがあるのだが、同店ではその代わりにフルサービスのレジ2台に加え、セルフレジ3台が増設されていた。

ちなみにワシントンD.C.にある店舗でもJWOを導入していたが、こちらも同様に撤去されたようである。
アマゾン直営のSM「アマゾンフレッシュ(Amazon Fresh)」がJWOの導入をやめると発表してから1カ月もたたず、ホールフーズでもJWOが撤去され、ふつうのSMに戻っていたのだった。
なお、アマゾンが開発し外販も開始したスマートカート「ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」については、ホールフーズでは約1年前から一部店舗で導入を進めており、現在までにサンフランシスコ郊外のサンマテオ店を含む6店舗でテストが続行されている。また、非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」は、全店で通常レジ・セルフレジ併設の決済端末として導入されている。

シリコンバレーのスタートアップ界隈では”fail fast and learn faster(すばやく失敗し、早く学べ)”というフレーズがよく使われる。早々に失敗して重要な学びを得て、改善を重ねていくことが、イノベーションを起こすうえで必要不可欠なメンタリティであることを表したものだ。ホールフーズでのJWO撤去は、
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