圧倒的安さと圧倒的な品揃えで急成長!知られざる米注目スーパー2 社とは
事業規模こそ小さいが、米食品小売業界においてにわかに注目を浴びているスーパーマーケット(SM)がある。アウトレットSMのグロサリー・アウトレット(Grocery Outlet)と、ウェアハウスストアのウッドマンズ・マーケット(Woodmanʼs Market)だ。本稿では、日本でまだ知名度の高くない両アメリカ小売業大全社の戦略と強みについて解説する。
グロサリー・ アウトレット
アウトレット品と独自調達品の訴求で成長続ける
グロサリー・アウトレットは、その名のとおり、余剰在庫や賞味期限が近づいた商品などを安値で仕入れ、激安価格で販売するアウトレット型SMである。本拠地カリフォルニア州を中心とする米国内8州に、444店舗(2023年4月1日現在)を展開する。物価高騰が続く現在、新規顧客が増加の一途をたどり、利用客からは「私の街にグロサリー・アウトレットがあってよかった」と言われるような存在となった。
同社は、「グロサリー・アウトレットバーゲン・マーケット」(以下、バーゲン・マーケット)の店舗ブランド名でフランチャイズ(FC)展開を行っており、法人としてのグロサリー・アウトレット自体は、商品調達と卸、そしてバーゲン・マーケットの運営サポート機能を果たしている。一方で、FC店舗の運営事業者は「インデペンデント・オペレーター」と呼ばれ独立して経営を行い、自身の店舗の運営・経営戦略の判断をすべて委ねられている。
バーゲン・マーケットでは、一般的なSMの販売価格より最大60%安く商品を販売。アウトレット商品ばかりではなく、独自の調達ルートを開拓し、日常生活に必要なあらゆるカテゴリーの商品を取り揃えている。そうした商品も地域最安値と同額か、それ以下に値付けしているのが特徴だ。
グロサリー・アウトレットの22年第4四半期の既存店来店客数は対前年同期比10.0%増、23年第1四半期には同7.9%増を記録した。客単価も伸びていることから、既存店売上高は2ケタ成長を続けている。
21年度にコロナ禍の影響で業績は一度停滞したが、22年度に入ってからは好調に転じ、同年度の売上高は35億7810万ドル(約4830億円)で対前年度比16.2%増、営業利益は9499万ドル(約128億円)で同6.6%増だった。さらに23年度第1四半期の売上高は対前年同期比16.1%増、営業利益は同68.9%増、既存店売上高は同12.1%増と、好調を継続している。
“宝探し”を楽しむ顧客今後はPBも強化へ
もっとも、グロサリー・アウトレットが顧客に支持される理由は絶対的な低価格だけにあるのではない。
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