ヨーロッパに誕生した斬新な新フォーマット、「オープンマーケット」とは何か

太田 美和子
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買物客が期待する機能を「ショッピング」と「バイイング」に分けてゾーニングした、ルイ・デレーズの新フォーマット「オープンマーケット」
買物客が期待する機能を「ショッピング」と「バイイング」に分けてゾーニングした、ルイ・デレーズの新フォーマット「オープンマーケット」

 「店舗の価値を再認識しよう」「店舗スタッフの役割を見直そう」──。そんな文言を欧州の流通専門誌でよく見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大やそれに伴うECの急速な浸透によって消費行動が変化した。それにもかかわらず実店舗の役割や価値を従来どおりにとらえていていいのかという疑問から冒頭のような発言がなされるようになった。

 その提言に呼応したわけではないだろうが、欧州では新しいフォーマット開発に力を入れる企業が増えつつある。その1社がベルギーに本社を置くルイ・デレーズ(Louis Delhaize)だ。ベルギー、フランス、ルクセンブルク、ルーマニアの4カ国に合わせて約120店の小売店舗を展開する中堅の小売企業で、食品スーパー(SM)、ハイパーマーケット、コンビニエンスストア、園芸センター、電子機器専門店、地域特産品専門店と幅広い業態を展開する。ちなみに、世界的小売グループであるアホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)とは無関係である。

 ルイ・デレーズは、2022年7月12日にはベルギーのジャンブルーに、同月15日にはブレーヌ・ル・コントに、SMの新フォーマットである「ルイ・デレーズ・オープンマーケット」(以下、「オープンマーケット」)を立て続けにオープンした。

 「オープンマーケット」のユニークな特徴は、

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