未曾有のインフレ下で勇躍するアルディ、リドルら米ディスカウントストアのいま

鈴木 敏仁 (R2Link代表)
Pocket

アメリカ国内のリドルの店舗
アルディやリドルなどのディスカウンター勢が、急速なインフレ下にあるアメリカで勇躍している(写真はアメリカ国内のリドルの店舗)

 リミテッドアソートメントストアのリドル(Lidl)が、アメリカ国内で100アイテム強を値下げすると発表した。6月8日に開始し8月まで継続予定で、夏のキャンペーンによる値下げを加えると1回の買い物で50ドル以上を節約できるとしている。サンプル29アイテムを調査したレポートによると10%強の値下げ幅のようだ。

 ドイツを本拠とするリドルがアメリカに進出したのは2017年で、東海岸を中心にして170店舗超まで店舗を増やしている。戦略は世界共通で、アイテム数を絞って低価格を訴求するディスカウント型だ。ご存じのとおりアメリカは激しいインフレに見舞われており、あらゆるモノやサービスの価格が上昇している。そういった環境の中であえて値下げをするのはディスカウント型リテーラーの面目躍如といったところだろう。

「価格へのコミット」を強く打ち出す

 アメリカではリドルと真っ向から競合するアルディ(Aldi)のほうが先輩格で、店舗数は2200店舗弱、毎年100店舗強を新規出店しておりアメリカのチェーンストアの中でも有数の成長企業である。こちらは4月半ばにCEOが顔写真と署名付きでお客に向けて低価格宣言を発信している。

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態