ウォルマートもコンビニも…米小売業界が植物工場への投資を加速させる理由

ベンチャーキャピタルによる昨年1 年間のフードテックへの総投資額は390億ドル超だったという。125円換算で約4兆9000億円という巨額の資金が投じられた。そのうちの半分以上が食品EC、アプリ、マーケットプレイスとなっている。
このフードテックというくくりには短時間宅配も含まれている。目に付くのが宅配人なので労働集約型モデルに見えるが本質はシステムだからである。
米小売業界のデジタル変革は一気に進んでいるが、投資企業による旺盛な投資意欲がそれを支えているということは覚えておきたい。スタートアップが金銭的支援なく生まれ成長しているわけがないのである。
また投資しているのは投資の専門企業だけではない。たとえばコンビニエンスストアのクシュタール(AlimentationCouche-Tard:「サークルK」などを展開)は2020年に1億ドルの予算でファンドを設立し、食品ECや短時間宅配企業などに今年初頭までに5500万ドルを投資したと発表している。小売企業だけではなくて多くの食品メーカーも投資目的のファンドを通してスタートアップに投資している。
小売やメーカーといった当事者自身も資本を投じてスタートアップを支援し、将来を見据えた新たな技術を育成しようとしているのである。日本の小売企業もそろそろ目を覚ますときだ。
植物工場の市場規模は1500億ドル超の予測
フードテックには多くの分野があるが、ここに来て急速に伸び始めているのがインドアファーミング、日本語でいう植物工場である。
冒頭の調査数値を公開している調査企業ピッチブックによると昨年の植物工場市場の規模は
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