フーマーだけじゃない!中国のニューリテール事情
アリババが運営する盒馬鮮生(以下、フーマー)はネットスーパー、スーパー、イートイン、倉庫の機能を持ち、中国におけるニューリテールのビジネスモデルとなった。あらためて、フーマーのニューリテール戦略、さらにフーマー以外の注目企業のニューリテール戦略の取り組み事例を紹介する。
フーマーが実現したニューリテールとは
2016年にアリババグループが「ニューリテール(新小売)」という概念を提唱した。ニューリテールは、オンラインとオフラインを融合させた(OMO:Online Merges with Offline)の概念をベースにして、顧客情報やデータをプラットフォームで統合して、消費者がオンラインとオフラインを問わずシームレスに利用体験できるようにする戦略で、「顧客体験」を重視している。フーマーでは、顧客はオフラインの店舗で購買することはもちろん、そのオフラインの店舗で購入·注文した商品を30分以内に配送してもらうことができる。
また店舗によってはイートインも併設されており、購入したばかりの食材をその場で調理してもらえる。最近では、アリババグループのECモールである天猫(T-mall)の一部の越境商品をフーマー内でも購入できるほか、クリーニングや掃除サービスまで購入し予約できるようになった。もちろん決済は同じアリババ系列のアリペイで行える。オンラインとオフラインの「境」を消費者に意識させることなく、購買体験を提供しているのである。

中国トレンド2021 の新着記事
-
2022/05/17
中国 ゼロコロナ政策で変わる日常生活~ロックダウン都市 上海の現地レポート~ -
2022/02/19
小売業が注目すべき、コロナ禍の北京オリンピックで使われるテクノロジーとは -
2021/12/23
フーマーだけじゃない!中国のニューリテール事情 -
2021/11/24
福祉、エコ、シニア対応で激変、2021年「独身の日」詳報!天猫とJDで16兆円に -
2021/11/05
「卵の白身だけ」の食品が人気!? 中国で進む健康ブームと代替食品の最前線とは -
2021/10/25
EC大国におけるオフラインでのリアルブランド体験の進化
この連載の一覧はこちら [9記事]
