増収・営業増益で売上高5000億円を突破! イオン九州の好決算を徹底分析
イオン九州(福岡県/中川伊正社長)は2025年4月11日、25年2月期の通期決算を発表した。20年のマックスバリュ九州とイオンストア九州との統合以降、増収増益を継続するイオン九州。新規出店や価格戦略、既存店改装を積極的に進め、売上高は初めて5000億円の大台に乗った。

価格戦略・DXの取り組みが奏功
イオン九州の25年2月期通期決算(連結)は、営業収益が対前期比4.2%増の5316億円、営業利益が同1.5%増の105億円、経常利益が同4.6%増の110億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.1%減の60億円となった。
同期中は、17店舗の新規出店や、「イオンモール香椎浜」(福岡県福岡市)をはじめとした既存店の活性化が奏功し、営業収益、営業利益、経常利益いずれも過去最高を更新した。また、既存店売上高は38期連続で前年同月を上回り、営業収益は5000億円を初めて突破した。
「マックスバリュエクスプレス」などの食品スーパー(SM)や、「ザ・ビッグ」などのディスカウントストア、そのほかの総合スーパー(GMS)で販売する食品の売上が好調に推移した。
イオン九州では、物価高騰が続くなか、第2四半期から食品を中心に価格戦略を再強化。厳選したナショナルブランド(NB)商品を期間限定で価格訴求する「しあわせプラス(応援価格)」や、プライベートブランド(PB)「トップバリュベストプライス」による差別化によって物価高への対応を図った。こういった価格政策によって、既存店客数は同1.0%増、既存店客単価は同2.5%増と好調に推移したことが増収に寄与した。
また、24年2月期の下半期からより強化してきたDXの取り組みが店舗に浸透し、販促施策のデジタルシフトや業務の効率化が進行。セルフレジや電子棚札の推進により、生産性の高いインストア製造部門などへの人時の再配置に取り組んだ。25年2月期第3四半期以降は、人時コントロールの精度が上がり、生産性も向上。原材料価格や人件費などのコスト上昇の影響を吸収した。