イオン九州
売上高が初の5,000億円を突破
先行投資に伴う経費増加により最終利益は減益
25年2月期は売上高が初の5,000億円を突破し、営業利益、経常利益ともに前年を上回ったが、最終利益の段階で減益の着地となった。売上高はSM・DS業態およびGMSにおける食品の売上増が貢献した。減益の要因は主に設備投資の拡大、2期連続で行った大幅な賃上げによる人件費の増加、前期より出店を開始したイオンウエルシア九州株式会社における経費の増加など販管費が影響した。セルフレジや電子棚札など店舗DX投資の活用による人時生産性向上は実現されたが、経費の吸収には至らなかった。
イオン九州は中期経営計画(2025年2月期~27年2月期)における戦略の1つに「成長領域へのシフト」を掲げる。都市型小型フォーマット「マックスバリュエクスプレス」と、傘下のイオンウエルシア九州が運営するフード&ドラッグ「ウエルシアプラス」を中心に、マルチフォーマットでのドミナント戦略を進める姿勢だ。25年2月期は「マックスバリュエクスプレス」4店舗、「ウエルシアプラス」6店舗を出店したが、それぞれ計画の12店舗、16店舗に対して未達となった。一方で「マックスバリュエクスプレス」の既存店売上高は好調で、即食・簡便商品など小型店舗独自の商品開発が功を奏し、対前期比105.2%と好調に推移した。
ECではネットスーパーの受取体制強化や限定セール、予約会など様々なオンライン施策を展開したことで、売上が対前期比151%と大きく伸長した。さらにネットスーパーやオフィス向けキャッシュレス無人店舗「スマートNICO」など多様な購買環境を整備した。
26年2月期は、マックスバリュエクスプレスにおいて2026年度末に福岡市内70店舗の展開を目指し、圧倒的エリアシェアを狙う。同様にウエルシアプラスの出店も加速するとともに、新たなフォーマット「b!olala」(ビオララ)をオープンし価値創造にも取り組む。ビオララは「オーガニック」「ヘルス&ウェルネス」など健康志向の商品を集めたフォーマットで、25年4月開業予定の大型複合ビル「ONE FUKUOKA BLDG.」の地下2階に開店予定だ。ほかにも人的資本、既存店活性化、DX、省力化への投資を取り組み、26年2月期は増収減益を見込む。
代表取締役社長 : 柴田 祐司
売上高 | 売上高 総利益率 | 売上高 営業利益率 | 売上高 販管費率 | 売上高 経常利益率 | 売上高 当期純利益率 |
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510,317百万円 | 24.7% | 2% | 27.7% | 2% | 1.3% |
決算期:2024年2月 / 連結