OTC販売「2分の1ルール」撤廃 登録販売者、ドラッグストア業界はどうなる?
登録販売者不要論の再燃につながる「2分の1」ルール廃止
「2分の1」ルールが廃止されると、登録販売者、DgS業界にはどんな影響があるのか。
登録販売者の職能団体である日本医薬品登録販売者協会(東京都)の樋口俊一会長は、「登録販売者不要論の再燃」につながるとして、「大反対」だ。「2分の1ルールが廃止されれば、登録販売者が店舗に常駐する必要がなくなるわけですから、登録販売者を必要とする職場が減少します。せっかく資格をとっても、活躍できる場が減ってしまうでしょう。登録販売者(販売従事登録者)はすでに20万人を超え、登録販売者試験合格者は30 万人に達し、毎年2万人強の単位で増加しています。これだけ多くの方々が登録販売者として職業に就き、医薬品販売を通して地域住民の安心・安全を担保しています。2分の1ルールの廃止は、これらの登録販売者の員数規定を廃止することであり、日本国憲法第22条第1項においては保障されている『職業選択の自由』を侵害する恐れもあると考えています」(樋口会長)。
日本医薬品登録販売者協会は、3月末までに公表されるとみられる「2分の1ルール」廃止のパブリックコメントに対し、出る前、出た後も全会員に「2分の1ルールの廃止」反対の意見を働きかけるほか、日本チェーンドラッグストア(東京都)をはじめ、関係団体、消費者団体、薬害被害者団体等にも連携を呼びかける。さらに登録販売者の失業につながるため、UAゼンセンにも働きかける予定だ。
ただし、日本医薬品登録販売者協会の関係団体である日本チェーンドラッグストア協会の中澤一隆専務理事は、「残念ですが、厚生労働省が決め、内閣府の規制改革推進会議が了承したことですから、これ以上申し上げることはありません」と、「2分の1」ルールが廃止については諦め顔だ。
コロナ禍の中でも好調なDgS業界だが、CVSが2021年度以降、本格的にOTCを取り扱い始めれば、大なり小なりの影響を受けることになる。「2分の1」ルールが廃止は、はたしてCVSの逆襲につながるか――。