しまむら、2022年度決算は増収増益で好調継続!「リボーン」を成し遂げ2030年にめざす姿
今期は増収増益の見通し
同日発表の2024年2月期連結決算は、売上高が対前期比3.1%増/前期から189億円増の6350億円、営業利益が同2.4%増/前期から12億円増の545億円、当期純利益が同3.9%増/同15億円増の395億円と、増収増益を見込む。
23年2月期に引き続き高機能・高価格帯商品に注力するとともに、サプライチェーンの強化を通じた仕入原価の抑制をすすめ、売上高アップと収益性向上を両立させる。
販管費比率も前期と同水準にとどめる考え(対前期比104.2%の計画)で、給与見直しなど人材投資を加速する一方でSNSを軸としたデジタル販促を活用にすることでマーケティングコスト抑制を図る。
2024年2月期は、2022年2月期を初年度とする現中期経営計画の最終年度に当たる。中計のテーマは「リボーン:再生と進化」。中計に先立つ3年間、それまで右肩上がりを続けてきたしまむらは成長スピードに急ブレーキがかかっていた。2024年2月期の業績目標を達成できれば、同社は成長性・収益性を回復、ビジョンに掲げる「リボーン」を実現したことになる
2030年に向けた長期ビジョンを発表!
しまむらは決算発表と同時に「長期経営計画2030方針」もリリースした。2030年のゴールでは、売上高8000億円(2023年2月期対比29.8%増)以上、粗利益率35.0%(同0.9ポイント改善)、販管費率25.0%(同0.6ポイント改善)、営業利益率10.0%(同1.4ポイント改善)、ROE8.0%以上を設定する。
この実現を支えるのが3つの方針(成長戦略・インフラ強化・ESG活動)と資本政策だ。
成長戦略では、既存店売上の増加を図ると同時に、ライバルからシェアを奪えるようなキラーコンテンツの強化、デジタル販促促進、「売れる」品出しや陳列の実現、ドミナント戦術を軸に据えた店舗展開、リアルとECの融合といった具合に全方位ですすめる。同時に、しまむら事業中心の収益構造を見直し、全事業で稼ぐポートフォリオの構築をめざす。
インフラ強化では、報酬体系見直し・教育制度整備といった人材育成、さらには物流インフラ再構築・デジタル化を推進する。ESG活動では、環境・社会・ガバナンスそれぞれの領域で“しまむら流”を浸透・普及させるとしている。
これら3つの方針は総花感が否めないが、メリハリある資源配分ができればビジョン実現も現実味を帯びてくる。成功のカギを握るのは「資本政策」にあるのかもしれない。
しまむらは「リボーン」を成し遂げ、持続的成長を実現できるか。まずは現在の中期経営計画の総仕上げに注目だ。