コロナ反動で増収も見通し不透明、百貨店決算2022!各社各様の成長戦略模索する

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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以前から市場縮小傾向にあった百貨店(DP)業界。コロナ禍の影響が甚大だった2020年から一転、21年の各社の業績は回復傾向にある。しかし、まだまだコロナ前の水準には戻っていない。大手各社は百貨店の構造改革やデジタル投資などに注力し始め、再成長に向けた施策に取り組んでいる。

 日本百貨店協会の発表によると、21年の全国百貨店売上高は対前年比5.8%増の4兆4182億円だった。同25.7%減とコロナ禍で大打撃を受けた20年と比較すると回復の兆しが見え始めた。商品カテゴリー別では「衣料品」が同3.5%増、「雑貨」が10.2%増、「食料品」が4.7%増と多くのカテゴリーが伸長した。

東京・銀座
大手各社は百貨店の構造改革やデジタル投資などに注力し始め、再成長に向けた施策に取り組んでいる。資料写真、2017年7月、東京・銀座で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 ただ、コロナ前の19年と比較すると全国百貨店売上高は20%超の減少となっており、まだまだコロナ前の水準には戻っていない。先を見通せない状況のなか、22年2月にはセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)が傘下のそごう・西武(東京都)の株式売却を検討していることが報道された。その後決算発表の場で、セブン&アイの井阪隆一社長は「ベストオーナーを探すことも検討していく」と、売却の可能性に言及している。

 収益認識に関する会計基準の適用により純粋な比較はできないが、DP上位5社の売上は概ね回復傾向にある。まだまだ前年の“反動増”の域を出ないものの、各社はデジタル強化や店舗の構造改革などに取り組み、復活への足掛かりをつかもうとしている。

DP営業収益/経常利益増減率の企業分布(連結ベース)

H2Oは関西スーパーを傘下に

 髙島屋(東京都)の22年2月期の連結業績は、営業収益が対前期比11.8%増の7611億円、営業利益は41億円(前期は134億円の赤字)。当初の計画には未達だったものの、不動産事業や金融事業の子会社が好調だったことから営業黒字を確保した。「国内百貨店事業」では営業収益が同12.8%増の6564億円。営業利益は第4四半期で16億円と9四半期ぶりの黒字を確保したものの、通期では72億円の赤字だった。今後も髙島屋は

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