コスモス薬品 東北進出、食品構成比6割越えの衝撃!
ドラッグストア(DgS)大手のコスモス薬品(福岡県)が、2024年5月期連結決算を発表した。売上高は対前期比16.6%増の9649億円、営業利益は同4.6%増の315億円、経常利益は同3.7%増の342億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.8%増の244億円と大幅な増収と増益を達成。売上高はいよいよ1兆円の大台を射程圏内に捉えた。7月18日、メディア向けに開かれた決算説明会で同社の横山英昭社長は、新規エリアを含めた出店戦略や、他社が強化する生鮮食品の販売に関する見方など、今後の成長を左右するさまざまな施策についての展望を語った。質疑応答の内容を中心に発言内容を抄録する。
食品の売上比率は初の60%超 「生鮮が加われば『最強』になるが……」
――食品の売上高構成比が60%を超えた(60.4%)。あらためて食品の販売政策についてどう考えているか。
横山 四半期単位では60%を超えたことはあるが、通期で超えたのは初めてだ。食品マーケットは大きいので、そこが伸びるのは自然な流れ。今後も食品の売上比率は高くなっていくだろう。
――生鮮の販売についてはどう考えているか。
横山 DgSにとって生鮮の販売は破壊力があり、集客の肝であることも理解している。しかし、われわれの生鮮の取り扱いは実験の範疇で、スペースも什器2台分くらいだ。(ほかの生鮮強化型DgSに比べて)お粗末すぎてやっているうちに入らない。「その程度の規模感でやるなら、やめてしまえば」といったような声も社内では出ている。
ただ、将来的に生鮮の販売を本格化する選択肢は十分にある。その場合は自社でやるしかないとも思っている。今はとにかく(生鮮について)勉強中だ。
――生鮮の導入に関しては何がいちばんの障壁なのか。すでにつくり込まれた売場レイアウトとオペレーションに付加することがやはり難しいのか。
横山 われわれの店舗は大型なので、生鮮を売場に導入すること自体は難しい話ではない。ただ、生鮮はやはり鮮度が重要。鮮度管理のノウハウが(ないことが)大きな課題だ。
――競合が生鮮を強化するなかで、そうしたチェーンとぶつかったときにまだ競争優位に立てるのか。
横山 われわれの強みはディスカウント要素で、それは生鮮3品がなくても強い集客装置になっている。そしてディスカウントはローコストオペレーションを確立しなければ成立しない。「安く売るための仕組み」をつくることができている点は大きい。
もちろん、そこに生鮮3品が品揃えに加われば”最強”になるかもしれないが、なかなか難しいところがある。