コープさっぽろ、外販比率35%、33億円の利益生み出す物流戦略とは
生活協同組合コープさっぽろ(北海道/大見英明理事長:以下、コープさっぽろ)は2013年と早期から物流の完全自前化を推進。すでに道内全域に、独自の物流ネットワークを構築し、プロフィットセンター化を実現させている。同時に物流事業の専門性を高め続けており、強固な物流網を基盤に成長を続ける、独自の事業体へと発展を遂げている。
テスコやバローに学び基幹物流を自前化
2002年、コープさっぽろの大見英明理事長は英食品スーパー(SM)最大手のテスコ(Tesco)を視察に訪れた。北海道は、物流の出入口が限定される「島国」という点で英国と地理的同質性を持つ。そんなテスコの強さの基盤にはその物流網があり、物流革新への潜在的可能性を強く感じたという。大見理事長は「物流は商圏エリアの地理的条件を把握し、戦略を構築していくことが重要」と語る。
![大見英明理事長](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2024/01/dcs240115_064_002.png)
その後、コープさっぽろは物流の自前化に乗り出す。現在も、食品小売企業の大半は物流センターの運営を卸や物流事業者に委託しているのが現状だ。そうしたなかコープさっぽろは先進的なバローホールディングス(岐阜県)に依頼し、物流センターを視察するなど、先行事例を積極的に学び、独自の物流網を構築していった。大見理事長は「肝となるのは物流の“完全”自前化。物流という門外漢な領域に踏み込むことを躊躇する小売企業が少なくないが、まずは基幹物流センターの自前化への決意を持つ必要がある」と説く。
![北海道ロジサービス外観](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2024/01/dcs240115_064_001.png)
12年にはコープさっぽろの基幹物流を担う関連会社として北海道ロジサービス(北海道/岩藤正和社長)を設立した。輸送方式として「ハブアンドスポーク」(※1)を採用し、13年には、中心拠点の「江別物流センター」(北海道江別市)と、道内22カ所に配置した物流センターによって、コープさっぽろの店舗108店と宅配センター51カ所すべてに商品供給を可能な完全自前の物流網を完成させた。
※1:中心拠点(ハブ)に貨物を集約させ、各地域の拠点(スポーク)に運ぶ輸送方式
33億円の利益を創出、外販比率は35%超に
この全道を網羅するコープさっぽろの物流ネットワークは、完全自前化だからこその柔軟性を発揮している。たとえば13年からは、
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