商品、DX、ビジネス変革……いよいよ迎えたコンビニ再成長への岐路
PB刷新、強化で来店動機を創出
将来の事業展開を見据えて新たな事業、施策を模索しつつ、他業態も含めた競合との差別化を実現するためには、リアル店舗を中心に固定客、いわゆる店の“ファン”を生み出していくことも重要となる。お客のファン化を進めていくには、日常的に購入される食品や日用品の商品力を磨いていく必要がある。
そこで、重要な役割を果たすのがプライベートブランド(PB)だ。PBは物価高騰下で需要がとくに大きく、食品スーパー(SM)でも売上が伸びているが、CVSも同様だ。25年2月期のファミリーマートの売上増を牽引したのも、「ファミマル」を軸とした商品開発で生まれたヒット商品や定番商品だった。セブン-イレブンで販売する「セブンプレミアム」でも年間1億個を売り上げる菓子など多くの人気商品が生まれている。
ブランド力や特徴があるPBであれば、差別化を実現できるだけではなく、自社グループ以外の店舗で販売する「外販」による収益獲得も可能になる。北海道を中心に「セイコーマート」を展開するセコマ(北海道/赤尾洋昭社長)は、店内調理で総菜や弁当を提供する「ホットシェフ」をはじめ、北海道産の原料を使ったPB商品を多く生み出している。そうした個性あふれるPBを道外のSMやドラッグストアに供給しており、外販の売上高は拡大傾向にあるという。
PBの重要性が増す中で、ローソンは25年3月、これまで展開してきたPBを新PBの「3つ星ローソン」に刷新した。ローソンの藤井均商品本部長は「人口減少が進む中で、お客さまに繰り返し購入していただける商品をつくっていくことが必要だ」と説明。新PBでは「おいしさ」はもちろんのこと、パッケージのデザインや商品ごとの色分けなど見た目にもこだわり、お客へのわかりやすさを重視している。
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