小売業界新たなフェーズへ!平和堂の株価上昇が意味することとは

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PBR銘柄の修正相場は終了へ

y-studio/istock
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 平和堂の株価上昇を受けて筆者は、「低PBR銘柄の株価が資本効率を重視する経営姿勢の変化を受けて上昇し、低PBRが修正される」という相場がだいぶ終わりに近づいているのではないかと考えています。

 すこしデータを眺めてみましょう。

現在株式時価総額が300億円以上の小売企業143社のうち、

2023年3月末に

- PBRが1.0倍以下だった企業数はおよそ50社(全体の35%)
- PBRが0.9倍以下だった企業数はおよそ39社(全体の24%)

これが2024年4月末に

- PBRが1.0倍以下だった企業数は35社(全体の28%)
- PBRが0.9倍以下だった企業数は28社(全体の20%)

となっています。

 2023年3月末のPBRは筆者の概算ではありますが、全体の三分の一を占めていた低PBR銘柄が四分の一から五分の一まで減少しており、低PBRの修正は山場を超えたように思います。

  残る低PBR銘柄は一部の百貨店、一部の家電量販店、ホームセンター、一部の食品スーパー(SM)などに絞られてきました。これらの企業は個社の努力だけで資本効率を抜本的に改善することが難しそうに思われます。

 このような場合、従来の延長線上にはない抜本策が必要でしょう。筆者は遅かれ早かれそうした展開になると思っていますが、具体的な動きが一つ出てくるまでは、株価は動きにくいと思います。個社の自助努力で改善できる企業はおおよそ手を打ってきた、とまとめられそうです。

  言いかえれば、株式市場は低PBR改善ではない新たな切り口、ストーリーを探し始める時期になったということです。

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記事執筆者

都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。

米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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