ベビー・子供服、関連用品の専門店を全国展開する西松屋チェーン(兵庫県)。コロナ禍にあっても、これまで進めてきた店づくり、商品政策が評価され、業績が大幅に拡大している。今後も積極的な出店を続ける方針で、2025年2月期には売上高2000億円をめざす。そんな同社の商品政策やネット通販事業、プライベートブランド(PB)拡大などについて、大村浩一社長に聞いた。
コロナ禍2年目も好調を維持
──20年8月に経営トップに就き1年以上が経過しました。コロナ禍は、今も混乱収束の見通しが立たない状況ですが、これまでをどう振り返りますか。
大村 社長に就任したのは昨夏ですが、経営には専務となった20年1月から携わっています。新型コロナウイルスの感染が拡大する直前からのスタートで、かつてないほどの大変化が起こった時期に舵取りを任されたのだなと再認識しています。
──21年2月期決算は、売上高1594億円(対前期比11.5%増)、営業利益120億円(同533.7%増)、経常利益123億円(同426.8%増)、当期純利益82億円(同668.0%増)となり、大幅な増収増益で着地しました。好決算の要因をどのようにお考えですか。
大村 これまで地道に取り組んできた施策が評価されたのだと感じています。この20年、当社は主に十分なスペースが確保できる郊外で出店を続けてきました。店舗では通路幅を広く確保しているほか、天井を高くし、快適で利便性の高い店づくりに努めています。品揃え面では、お子さまを生み、育てるために必要な商品を取り扱い、ワンストップで買物ができるのが特徴です。こうした一連の施策によって、ソーシャルディスタンスが声高に叫ばれるコロナ禍でも、お客さまの支持を得ることができたのだと分析しています。
──コロナ禍が一巡した今期に入っても好調を維持しています。
大村 ほかでは買えないPB商品を積極的に開発してきたことも大きな要因だとみています。初めて来店したお客さまのほか、久しぶりに立ち寄った方にも、「西松屋に来ると、安くてよい品質の商品が買える」と感じていただけたことが、継続して客数増を維持できている理由かもしれません。
利益拡大の要因となったのは在庫適正化への取り組みです。前期から在庫を把握する基準を統一したところ、在庫管理の精度が改善し、値下げロスも大きく減ったことで利益率が向上しました。下期以降も、引き続きこの取り組みを強化していく方針です。
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。