ビオセボン・ジャポン 社長 土谷美津子
「ふだん使い」確立し、オーガニック食品市場を拡大させる
イオン(千葉県/岡田元也社長)傘下で、オーガニック食品を中心に扱う食品スーパー(SM)のビオセボン・ジャポン。日本で1号店を出店してから1年あまりが経過した。日本のオーガニック食品市場をどう開拓していくのか。土谷美津子社長に聞いた。
リピーターが約7割、青果の売上が好調
──2016年12月に1号店「Bio c’ Bon(ビオセボン)麻布十番店」(以下、麻布十番店)をオープンしてから1年あまりが経過しました。利用者の反応はいかがですか。
土谷 おかげさまで売上は右肩上がりで伸びています。開店からしばらくの間は、オーガニック食品を中心に扱うSMという話題性や珍しさから来店される方がほとんどでした。
しかし、最近はふだん使いの店として、日常的に利用してくださるお客さまが増えています。会員カードの分析では、利用者の中心は子育て中の主婦をはじめとした若い世代です。また、カード会員全体の約7割がリピーターになっています。
とくに売上が好調なのが青果です。青果の売上高構成比は、開店直後は全体の5%未満でしたが、現在は20%近くまで伸長しています。
最近は、天候不順による野菜の相場高がオーガニック野菜の売上をさらに押し上げています。オーガニック野菜は市場を介さず、生産者と販売者が直接売買する相対取引で価格が決定されます。天候不順による生産量の減少はオーガニック野菜の生産者も同じ状況です。しかし、当社と契約している生産者は、消費者にオーガニック野菜を手に取ってもらえる好機ととらえ価格を上げていません。そのためオーガニック栽培と慣行栽培の野菜の価格差が小さくなっており、オーガニック野菜を購入するお客さまが増えています。