中国・アジア軸の流通相関図!コロナ禍でさらに高まるアリババ、テンセントの存在感
中国および東南アジアでは、従前よりアリババ(Alibaba)とテンセント(Tencent)の2大テック企業が中心となって小売業のデジタル化を推進してきた。そして2020年の新型コロナウイルス(コロナ)の流行によって非接触ニーズ・巣ごもり消費が高まったことで、小売ビジネスにおけるデジタル化の動きはより加速しており、2社の存在感もより大きなものとなっている。
コロナ以前よりアリババとテンセントは小売市場におけるデジタル化に注力しており、テンセントは約12億人のユーザーを誇る「ウィーチャット(WeChat)」、アリババは約10億人が利用する「アリペイ(Alipay)」というスーパーアプリ(決済機能やコミュニケーションツール、ミニプログラム、デジタルマーケティングなどさまざまな機能を1つのアプリに集約的に搭載したもの)を通じ、小売業のデジタル化をサポートしつつ、自社の経済圏に小売各社を取り込むという戦略をとってきた。
盤石の自社経済圏を構築するべく、2社はリアル小売業に対するM&A(合併・買収)や出資も積極的だ(下図)。たとえばアリババは生鮮スーパーの「フーマー・フレッシュ(Hema Fresh)」や百貨店の「銀泰商業(Intime)」を傘下に収めるほか、食品スーパー大手の「サンアート(Sun ArtRetail)」、ホームファニシング大手「居然之家(Easy Home)」などに出資している。

一方のテンセントは、傘下のEC大手・京東(JD.com)が生鮮スーパー「7フレッシュ」、無人店舗「無人超市」などを運営。また京東は、米ウォルマート(Walmart)とEC・物流事業で戦略的提携を結んでいる。さらにテンセントは小売大手の永輝(Yonghui)グループや、人気カフェチェーンの「ラッキンコーヒー(luckin coffee)」とも資本関係にある。
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