中国でも主流に?アリババがタッチ決済で描くシェア拡大戦略

文:牧野 武文(ライター)

 中国の大手テック企業アリババ(Alibaba)は2025年9月、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)決済機能の利用者数が2億人を突破したと発表した。

 この機能は24年7月、スマホ決済サービス「Alipay(アリペイ)」に導入したものだ。利用者はスマートフォンをこの機能に対応するよう設定しておけば、NFC専用端末にタッチするだけで決済できる。オプションを追加すれば、顔認証や暗証番号で支払い明細をすぐに確認することも可能だ。アリババは、中国で主流の二次元コード決済と比べてレジ精算にかかる時間が約13秒短縮できることを強調する。

商品ポップにNFCタッチ端末を取り付けた例
商品ポップにNFCタッチ端末を取り付けた例。スマホをタッチするだけでクーポンを獲得できる。クーポンは決済時に自動適用される(アリペイ公式サイトより引用)

 NFC決済機能への対応は、レジに行列ができやすいコンビニエンスストア(CVS)やファストフード店でとくに進んでいる。中国国内で店舗数4万店を突破したCVS「美宜佳(メイイージアー)」をはじめ、日系の「ローソン」「ファミリーマート」、ドリンクスタンド「蜜雪氷城(ミーシュー)」、ハンバーガーショップ「ウォレス」などが代表例だ。

 NFC決済機能による会計処理は速い。しかし、

この記事をさらに読むと、中国のスマホ決済サービス「アリペイ」が、なぜNFC決済機能を活用して、顧客の新規獲得とレジ精算時間の短縮という二つの課題を解決しようとしているのかについて理解することができます。

 

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