顧客最優先の姿勢を貫く!生産性向上に向けた取り組みを本格化=ユニバース 三浦 紘一 社長

聞き手:下田 健司
構成:雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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アークスのM&Aは進む

──さて、アークスと統合してから約6年が経ちます。今、統合の効果が最も感じられるのはどういったところでしょうか。

三浦 さまざまな面でコスト削減につながったということはあると思います。例を挙げると、グループ全体で包装資材の共通化に取り組みました。包装資材ひとつをとっても、グループ各社の考えがあって、そのすり合わせは大変なのですが、結果としてコスト減につながりました。

──商品の仕入れの部分では、共通化はなかなか難しいのでしょうか。

三浦 決して簡単なことではありませんが、仕入れについてもグループ一丸となった取り組みを進めていますし、効果も出ています。

 たとえば、仕入れメーカーさまとの交渉です。消費者に価格で貢献するためには、われわれ小売業側の努力も必要ですが、やはりメーカーさまのご協力も不可欠です。

 グループ各社の社長も出向いて話し合いを重ねたりした結果、理解を示していただけるメーカーさまも徐々に増えてきています。

──三浦社長はアークスの会長も務めていますが、アークスグループとしてのM&A(合併・買収)の進捗はいかがでしょうか。

三浦 小売業界においても合従連衡の動きが加速するなかで、M&Aのメリットに対する理解もだいぶ進んできています。M&Aの案件はこれからいっそう増えるでしょうし、われわれとしてもさらに推進していかなければならないと考えています。

 実際、アークスグループ入りを検討している企業もあります。ただ、どの局面で「最後の決断」をすべきなのか、考えあぐねているケースが見られます。あまりに各方面に相談してばかりいると、決まる話も決まらなくなってしまいます。そういう意味では、やはりその会社の経営トップが中心になって決断する必要があると思います。

──最後に、ユニバースとしては、将来的に売上規模をどこまで拡大できると考えていますか。

三浦 われわれがアークス入りを決めた理由の1つとして、ユニバース単独で売上高1500億円を突破するという未来が描けなかった、というのがありました。ただ、当時は自社を過小評価していた部分もあったのか、今では売上高は1200億円を超えて、1500億円という売上規模は十分ねらえる範囲にあると思います。

ユニバース
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構成

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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