ストアオブザイヤーからみる小売の流行と歴史 第1回〜第33回までの受賞店舗を一挙掲載

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ストアオブザイヤーの歴史を振り返って

 歴史を振り返ってみると、1980年代後半から1990年代中ごろまではGMS(総合スーパー)の時代だった。というよりは、故中内功さんが率いるダイエー(東京都/近澤靖英社長)の時代だったと言っていい。スーパーセンターの「ハイパーマート」(ダイエーハイパーマート二見店)やGMSを核にしたショッピングセンター「ショッパーズプラザ」(ダイエー横須賀)、会員制ホールセールクラブの「KOU’s(コウズ)」などは特に業態開発の面で小売業界を牽引。ストアオブザイヤーは、その都度、その革新性を評価してきた。そこに効率・品質経営のイトーヨーカ堂(東京都/三枝富博社長)が割って入るという構図がしばらくの間続いた。

 風向きが変わってくるのは、1990年代中盤からだ。超大型ショッピングセンターが日本の津々浦々に花咲く時代を迎えた。バブル経済が弾けたにもかかわらず、まだ景気が良かった、あるいはバブル期に仕込んだ物件が開業したためだろう。1991年に大規模小売店舗法の定める商業活動調整協議会(商調協)が廃止されてから、運用が大きく緩和され、それが起点となったものとみられる。ディスカウンター(DS)のカウボーイを核にした上越ウイングマーケットセンター、食品スーパー(SM)のマックスバリュー(当時の表記)とDSのメガマートを組み合わせたジャスコパワーシティ四日市。キャナルシティ博多、マイカル明石、横浜ベイサイド マリーナショップス&レストランツ、ヴィーナスフォートと実に6年間にわたってショッピングセンターが第1位を獲得することになった。

 2000年代前半からは、SMの時代となり、現在も続いている。

 2010年代は、ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)と阪急オアシス(大阪府/並松誠社長)が、交互に受賞を繰り返し、「西の阪急オアシス、東のヤオコー」という構図を築いた。そこにローカルSMのエブリイ(広島県/岡﨑浩樹社長)が割って入る。実は、阪急オアシスは2006年に、第1回・第3回のストアオブザイヤーを獲得したニッショーを買収している。これを組み込むと、全33回のうち阪急オアシスが7回、ヤオコーが6回(同一企業では最多)受賞していることがわかる。

 そして昨年は、首都圏SMの雄ともいうべきサミット(東京都/服部哲也社長)のサミットストア テラスモール松戸が受賞し、新風を起こしている。

 今年も『ダイヤモンド・チェーンストア』誌3月15日号でストアオブザイヤーを発表する。読者参加型企画なので、ぜひとも投票いただきたい。よろしくお願いします。

STORE OF THE YEAR 2021 投票期間:1月29日(金)~2月12日(金)投票はこちらから

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