ヨーカドーやクイーンズが併設 大幅増益の良品計画がSM機能を重視した出店を強化する理由

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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SM併設の店舗を増やす

 決算発表会では今後の出店戦略についても言及された。「今後はより生活圏に入り込んだ出店をしていきたい」(松﨑社長)とのことで、食品を軸にSMとしての機能を重視した出店に力を入れる。

 来店頻度の向上につながる食品の売上高構成比は年々高まっており、この四半期では前年同期と比較して6.0ポイント上昇して16.1%となっている。SMの機能を内蔵した店舗では、食品の売上高構成比が2030%ほどになっているところもあり、衣料品や生活雑貨のついで買いも多いとのことだ。

 今後は「無印良品 イオンモール境北花田」(大阪府堺市)や「無印良品 京都山科」(京都府京都市)のように生鮮を取り扱う食品強化店舗や、「無印良品 野々市明倫通り」(石川県野々市市)のようにSMに隣接する店舗の開発、さらにはSMのある商業施設内への出店に注力したい考えだ。現在開発している店舗の大半は路面店やSM併設店舗だという。

今後の出店では、SMとしての機能を強化していく(写真は「無印良品 京都山科」の売場)
今後の出店では、SMとしての機能を強化していく(写真は「無印良品 京都山科」の売場)

「クイーンズ伊勢丹」の運営会社が展開する食品売場を導入

 2011月には「無印良品 イトーヨーカドー弘前」(青森県弘前市)、同年12月には「無印良品 イトーヨーカドー曳舟」(東京都墨田区)を総合スーパー内にオープン。業績は両店とも好調だという。

 21年春には、「無印良品 港南台バーズ」(神奈川県横浜市)を増床リニューアルオープンする。同店に設ける生鮮食品を含む大型の食品売場は、「クイーンズ伊勢丹」を展開するエムアイフードスタイル(東京都/雨宮隆一社長)が運営することになっている。

 このようなSMとしての機能を付加した店舗については、国内だけでなく海外での出店も視野に入れているという。まずは中国で準備を進めていくとのことだ。

 2度目の緊急事態宣言の発令により、無印良品では営業時間の短縮を実施するものの、1度目ではピーク時に全体の約3分の2の店舗が休業していたのに対し、今回は休業する店舗はないとのことだ。218月期通期の業績予想に変更はなく、営業収益4876億円、営業利益492億円の過去最高額をめざす。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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