最終回 私がこの連載を書いた理由「新しい時代には新しいドラッグストアとスーパーマーケットが必要だ」

有田英明
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ルネサンスメインイメージ有田

全46回にわたった本連載もいよいよ今回が最終回。ドラッグストア(DgS)はどうしたら生き残れるのか? 20年後の展望をどうつくりあげるのか?これからの時代を展望しながら、新しい時代に必要なDgSについてまとめ、連載の締めくくりとしたい。

4つの成功法則が通用しない時代になった

 DgS市場が10兆円になるという威勢の良い話も聞く。果たしてそんなに順調に行くのだろうか?
 過去30年間のDgSの成功法則が以下の4つである。

①ローコスト経営と安売り
②ハウスキーピングニーズと食品の品揃え
③ヘルスケアの高粗利益率のプライベートブランド(PB)商品
④データ分析

 問題は、すでにこれらの成功法則が通用しなくなっていることだ。成功法則の1つめの「ローコスト経営と安売り」はDgSにとっての最大の武器であった。とくに集客商品である食品の安売りと、利益商品である医薬品の組み合わせは効果的であった。

 しかし今では「安売り」の効果が低下している。コンビニエンスストア(CVS)もスーパーマーケット(S M)もホームセンター(HC)も安い。安売りはDgSだけの専売特許ではなくなったのだ。さらに人口減少時代には、安売りしても売り個数は増えない。

 たとえば人口が1割減少したら、洗濯洗剤の売り個数は1割減る。生活必需品の安売りだけでは企業を維持できない。

 成功法則の2つめは「ハウスキーピングニーズと食品の品揃え」である。

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