柴田祐司社長が語る 新生イオン九州が進める「マイクロプロセスセンター戦略」とは?
──マックスバリュ九州と統合後、商品開発面の新たな取り組みを教えてください。
柴田 食品では、地域の商品部を強化するため、9月から各県ごとにバイヤーを配置しています。各地のバイヤーが、地域のおいしいものや良いものをどんどん発掘して、イオン九州全体、あるいは地域限定の品ぞろえに生かしていくというねらいがあります。
──ローコストオペレーションの取り組みでは、どのようなことを進めていますか。
柴田 人件費含めたものの流れを変える取り組みとして進めているのが、マイクロプロセスセンター(MPC)とでも言うべきものです。これはエリアの旗艦店など1店舗で生鮮加工を集中的に行い、エリア内の店舗に供給するという取り組みです。15年、鹿児島県の鹿かのや屋エリアのマックスバリュ4店舗でスタートし、次いで18年には福岡都市圏に広げ、市内の小型店約25店舗の水産加工を1店舗で賄っています。それにより売上だけでなく利益も上がりました。理由は、売価変更が減っているためです。従来の生鮮は製造部門ですから、素材が手元にあれば無理をしてでも商品化するきらいがありましたが、いまは吟味して発注するようになったというわけです。
次にこの9月から宮崎県内のエリアで、市場のなかにスペースを借りて水産加工施設とし、社員や従業員を常駐させ、そこから店舗に供給するようにしました。今後は延岡エリアのSM、GMS4店舗で11月くらいからスタートする予定です。いずれもマックスバリュ九州と統合したからできることです。
鹿屋エリアではすでにデリカと畜産もMPC化しており、他のエリアでも可能な限り水産以外にこの取り組みを広げていきたいと思っています。