アフターコロナ時代のBCPその3 「店舗に依存しない販売」や店頭受け渡しを進めなければならない理由
①消費者の来店時間の分散
リモートワークの活用はアフター・コロナにおいても継続・拡大すると考えられ、人々の生活スタイルはより柔軟になるだろう。これにより従来の平日夕方や休日の来店者の集中は無くなり分散する。そのため、以前のような集中する時間に合わせた施策ではなく、分散した生活時間に即した施策を小売業の側から積極的に行う必要がある。
こうしたなかでより重要となってくるのが、ワントゥワンマーケティングだ。消費者ごとに、何を、どの店舗・時間帯で購買したのかデータを収集・分析し、AI活用などにより消費者の生活スタイルに沿った、より訴求力あるプロモーションを行う。
1つの参考事例がDVDレンタルの「ゲオ」だ。ワントゥワンマーケティングで顧客ごとの来店時間を分析し、それに合わせてリコメンドメールを送ることでレンタルや商品の販売実績を伸ばしている。
②店舗以外の活用
店舗での買物では、混雑や、商品を探す手間などが発生する。
そうした課題を解決し快適な買物環境を提供するためには、ファストフードなどで利用が進む、ECで注文した商品を店頭で受け渡すサービスを、食品スーパーやドラッグストアに導入するのも1つの手だろう。事前オーダー専用の店舗であれば、従来よりも省スペースで、かつバックヤード業務の多くをロボットなどで代替すれば少人数運営も可能になり、原理的にはレジレスにもできる。
専用店舗ではなくとも、駐車場の一角に商品受け取りスペースを設置するだけで、サービスの実現は可能だ。デリバリー・プラットフォームを利用すれば、配達サービスまで提供できるだろう。