アフターコロナ時代のBCPその3 「店舗に依存しない販売」や店頭受け渡しを進めなければならない理由

クニエ 小売・流通インダストリー 栗原直樹
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ショールーミングは、小売業にとって新たな提案のかたちとなる可能性がある
ショールーミングは、小売業にとって新たな提案のかたちとなる可能性がある

③店舗に依存しない販売

 小売業にとって店舗は商品を揃え、販売する場であるともに、消費者とコミュニケーションを図る場でもある。ショッピングには、必要なものを購入するというだけでなく、その行為自体がエンターテイメントの要素を含んでいる。マップ右上は、小売業の提供価値を再定義することにより実現される領域と言えるだろう。

 そうしたなか、今後広がりが想定される販売形態の1つにショールーミングをあげたい。高額な家電や、質感が重要になるアパレルなどでは、すでに一般的になりつつあるが、現時点ではあまり前向きでない業界関係者が多い。

 しかし、店舗をほかにはない体験できる場として再定義し、ECでの購買に確実につなげることができれば、小売業にとって新たな提案のかたちになるのではないだろうか。

アフター・コロナに向け
今、できること

 経営者の視点では、現時点ではビジネス自体の継続が最優先課題かもしれない。しかし、消費者の変化や、選択、勝ち残るサービスを長期的視野で考えることが必要だ。

 繰り返しになるが、ウィズ・コロナの今だからこそ、アフター・コロナの消費者の変化を見据えた戦略的な投資を真剣に検討すべきだ。全3回の連載で述べた内容が、その判断の一助となれば幸いである。

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