2020年度のアパレル業界 栄える企業と滅びる企業を分かつものは?
今年がコンサル活用、デジタル元年となる理由
ご存じの通り、アパレル、リテーラーは、2019-20年はデジタル技術に対して盲目的に過信し、失敗を繰り返した。今のビジネスモデルを放置したままデジタル導入しても、何ら競争力を持ちえないことを、ようやく身をもって知ったのである。こうした経験は、力のないアパレル企業を市場から退出させ、産業の新陳代謝を推進することに一役買った。
上記に書いてある大胆な改革を実現化するためには、デジタル技術との相互連携が不可欠である。こうした青写真を、真っ白な紙の上にゼロベースで書ける、いわゆるデジタル戦略が描ける人材が決定的に不足しているのが今の課題だ。昨今の「戦略軽視」の風潮は酷く、多くのケースにおいて、こうしたビジネスモデル改革を行わず、既存のやり方にデジタル技術をのせようとする。だから、「デジタル化懐疑論」がでてくる。アパレル企業はこのことを嫌というほど学んだはずだ。
プロフィール
河合 拓(事業再生コンサルタント/ターンアラウンドマネージャー)
ブランド再生、マーケティング戦略など実績多数。国内外のプライベートエクイティファンドに対しての投資アドバイザリ業務、事業評価(ビジネスデューディリジェンス)、事業提携交渉支援、M&A戦略、製品市場戦略など経験豊富。百貨店向けプライベートブランド開発では同社のPBを最高益につなげ、大手レストランチェーン、GMS再生などの実績も多数。東証一部上場企業の社外取締役(~2016年5月まで)