ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
ゴールドウイン社の新中計点検
ザ・ノース・フェイスの構成比は減少
さてそのゴールドウイン社の5か年計画をみていきたい。最終年度である29年3月期の全社売上目標は1885億円(年平均成長率8%)、このうちザ・ノース・フェイスは1280億円をめざす。5か年でザ・ノース・フェイスは売上高を300億円積み増す計画で、この時点で会社の売上構成比は68%になる見通しだ。会社全体に占める構成比が24年3月期比較で9ポイント落とすと言っても、当然、依然同社の屋台骨を支える基幹ブランドと位置付けられる。
ワンブランドで国内売上1000億円を超えるメガブランドは日本にそれほどない。有名なところではファーストリテイリングのユニクロ、GUがそうだ。しかし、ザ・ノース・フェイスは、(日本では)安価品ブランドではないため、この価格帯でSPA型ワンブランドで1000億超えの目がブランドは外資ぐらいだろう。
これだけの規模とロイヤルティを持つブランドで、かつ「衣料品アパレルはスポーツカジュアルしか売れない」と言われているなか、もっとザ・ノース・フェイスの割合を高め派生ブランドを立ち上げながら売上を上げていくのがブランドビジネスのセオリーである。だが、同社は「Goldwin 500」というプロジェクト名で、5カ年で社名と同じ名前のSPAプライベートブランド「ゴールドウイン」で中計期間中に売上300億円をねらい、その後の4年で、500億円まで成長させるというプランをもっている。
ライセンスの関係で海外展開の限られる基幹ブランド「ザ・ノース・フェイス」の成長を持続しながらも、ゴールドウインブランドの海外展開を急ぐ考えで、とくに中国での展開を加速させ、年間4店舗の出店を進める計画だ。
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