プロ市場を積極的に開拓するコーナン商事、小型戦略フォーマットで香川県へ初進出
商品を魅力的に演出
電動工具売場と主通路を挟み、店内すぐの右側に置くのが作業衣料である。近年、有力メーカー各社はカジュアルでスタイリッシュな商品を次々と投入しており、若い年齢層の職人を中心に人気を集める。高松勅使店でもそれら商品の魅力を強く訴求できる売場づくりに努めている。
マネキンを使うなど着用シーンを想起できる陳列を随所で行う。さらに商品が浮き上がって見えるよう、上部からはスポットライトを当てるなど照明も工夫。陳列している商品の背景には、打ちっぱなしのコンクリートをデザインした壁紙を貼っており、従来にない演出も行っている。
安全靴売場も、主に壁面を使ってカラフルでデザイン性のよい商品を豊富に展開、選びやすい売場をつくっている。ここでも作業衣料と同様、上部からスポットライトを当て、お客の目を引きつけている。
衣料の一角では、同じ身に着けるという切り口で、関連する商品の売場を設けた。その1つは安全帯。作業現場で作業者の身の安全を守る商品の注目度は高く、従来の店舗よりさらに幅広い商品を集めた。オープン後、動きはよく、高額品も売れている。
再度、工具に目を移すと、ハンマー、ノコギリ、メジャーなどの手工具類で、とくに豊富な品揃えをしているのが先端工具である。主通路の1つに売場を配置、自社のレギュラープロショップにも匹敵する商品を集めた。
これらの施策により、オープン後、徐々にプロの支持を獲得している。中でも力を入れた電動工具、作業衣料の動きはよく、新天地における店舗としては上々のスタートを切った。売上高は、ほぼ計画どおりの水準で推移する。
松本店長は『PRO営業部において、香川県初のプロショップである高松勅使店なのでお客さまの声を重視し、リクエストされた商品や情報を得た商品を品揃えに取り入れる方針だ。地道な取り組みにより、地域の職人さんに頼りにされる店舗となるのが目標」と述べる。
今後、コーナン商事では、このワーク&ツールに磨きをかけ、さらに競争力のあるフォーマットへの進化をめざす考えだ。八坂氏は「出店するたびに新たな取り組みにチャレンジし、プロ市場を深耕していきたい」と抱負を口にする。