スローガンは「商売人になろう」厳しい環境を人材育成で乗り切る!=ヤマザワ山澤進会長
──その商品の強化の方向性はいかに考えていますか?
山澤 出店が思惑どおりに進みませんから、競争力は商品に磨きをかけることを続けてきました。
青果については、「地産地消」を推進するため、地場野菜コーナーの展開店舗数を拡大するとともに、地域ごとに地元生産者グループと協力し、安全・安心な地元農産物を安定的に仕入れ、販売しています。意見交換会を通して、生産と販売にかかわるさまざまな要望を集約しています。大事なのは、季節の商品をきちっと販売することです。加えて、地域の祭事や催事に合わせて商品をしっかり品揃えるということです。
また、過去5年以上にわたって、総菜と刺身を強化してきました。これからのSMは総菜と刺身の強さが決め手になると考えているからです。
総菜の現在の売上構成比率は10%程度ですが、これを15%くらいまでは上げていきたいところです。総菜工場を自前で展開しておりますので、ここの役割を増やしていきたいと思います。総菜工場では、ポテトサラダやマカロニサラダや煮物類、油あげなども製造しています。ただ、天ぷらやコロッケなどは揚げたての人気がありますので、インストア加工になります。
また、刺身は水産部門の約26%を構成するようになってきました。これが27%以上になってくると相当の存在感が増し、競争力はアップすると思います。
──とんかつなどは、2切れなどの少量パックも販売しています。
山澤 今のお客さまは、いろいろなモノを少しずつ食べたいという要求があるからです。
たとえばわが家も今は家内と2人暮らしです。いろいろな商品を購入してくると、半分は廃棄してしまうのです。以前は、昭和1ケタ生まれのもったいない精神で無理しても食べていました。しかし、もはや食べ切るパワーはなくなりつつあります。
それで少量パックの潜在性を痛感して商品化に踏み切ったわけです。
量と質と価格のバランスを組み合わせることで当社の特徴が打ち出せると考えています。
だからパッケージはなるべく少量にして、インストアパックではなく、総菜工場でパックするようにシフトさせています。