今中期3ヵ年計画「Change-i」策定し収益構造の改革行う=イズミヤ 坂田俊博 社長
──構造的な赤字店舗の改革にも着手しました。
坂田 構造改革室を設置し、赤字店舗の抜本的な収益改善に取り組んでいます。その考え方の1つは、「イズミヤ六地蔵店」(京都府)のように、ニトリさん(北海道 /似鳥昭雄社長)など有力な専門店をリーシングして、直営売場の坪効率を適正水準に引き上げるとともに、館全体の集客力を上げるというものです。おかげさまで「六地蔵店」では順調に客足が伸びています。
課題は、赤字店舗の家賃交渉をどのように行うかで、これから具体的な交渉に入っていきます。それと警備費や清掃費などの引き下げにも取り組みます。私どもの売上高対販売管理費率は現在、27%という高い水準ですが、この3カ年で25%以下にまで引き下げていくのが目標です。その水準にまで下げられなければ、企業として存続できないという強い危機意識を持って取り組んでいきます。
──ニューディスカウントを行う前提条件として、EDLCに取り組むということですね。しかし、GMS各社がEDLCに取り組んでいるものの、なかなかコストを落とし切ることができていないというのが実情のようです。
坂田 そうですね。ただ、今回は本部の人員を420人から360人へと60人削減するなど大胆なスリム化を図ります。
販促費についても同様です。関西エリアでは効果が非常に高いチラシはあまり削減したくないので、段階的に減らしてきたTVCMをここにきて一切やめてしまいました。結果は今後分析してみなければわかりませんが、金額ベースでのインパクトは非常に大きいです。
好調まるとく市場は既存店売上高対前期比10%増!!
──GMSでは課題が山積していますが、スーパーセンター(SuC)やディスカウントストア(DS)業態のまるとく市場は08年度好調に推移していました。
坂田 SuCは、08年度は大変順調でしたが、ここにきて衣料品が厳しい状況にあります。私どもは他社さんと比べて衣料品の売上高構成比が高い点が特徴です。衣料品の売上不振の影響を受けて、第1四半期のSuC業態の既存店売上高対前期比は2%減となりました。08年度は同5.7%増でしたから、約8ポイント下がったことになります。衣料品の不振だけではなく、周りの競合他社が売価を下げてきている状況下で、私どもがまだそこまで下げてはいないということが挙げられます。結果、当社のSuCのよさである価格優位性が薄れてきたと見ています。いちだんとコストを下げて、売価をさらに引き下げるということに取り組もうと考えています。
衣料品については、現在「SuCイズミヤ堅田店」(滋賀県)で売場のレイアウト変更をして、実験中です。ある品種はぐっと売場を縮小して、またある品種は拡大するなど、メリハリのある売場づくりを行い、その地域に合った売場展開を検証すると同時に、品出しの回数を減らすなどの作業改善を通して、コ スト削減にも取り組んでいます。