コープこうべで宅配の店舗受け取りが好評な理由!?
生活協同組合コープこうべ(兵庫県/岩山利久組合長理事)は、各種コストの増加など外部環境が急激に変化するなか、宅配、店舗を両輪としてきた従来の事業構造からの改革に着手している。また、地域コミュニティを醸成する施策にも着手し、選ばれる存在となることをめざしている。
宅配を軸とした事業展開を模索へ
コープこうべも他生協と同様にコロナ禍で利用が大きく伸長した。しかし2021年度下期からはコロナによる特需は縮小。結果、21年度の全体供給高(商品売上高に相当)は2471億円(対前年度比1.5%減)、経常剰余(経常利益に相当)は51億3400万円(同35.5%減)となった。事業部門別の供給高では、宅配事業が1303億4000万円(同0.7%減)、店舗事業が1143億7000万円(同2.3%減)だった。岩山利久組合長理事は「コロナ禍の特需で大きく利用が伸びた20年度からの反動減もあり、21年度は減収減益での着地になった。ただし、とくに宅配は高い利用水準を維持しており、計画値は上回ることができている」と説明する。
コープこうべは、全体供給高に占める店舗事業の割合が約5割と高いのが特徴だ。ただし店舗間競争が激化するなか、店舗事業の赤字を宅配事業によってカバーする構図は、ほかの多くの生協と変わらない。コープこうべの場合は、割合が高いぶんだけ全体業績への影響を強く受けているといえる。
そんななか昨今、さらに経営を圧迫する要因となっているのが、原材料費やエネルギー価格、物流費などの各種コストの高騰だ。加えて人手不足も、宅配や店舗といった労働集約型の事業にとって深刻な課題となっている。
こうした厳しい状況を踏まえ、コープこうべは事業構造を改革する方針を示している。「これまでは店舗と宅配の両輪で事業を拡大してきた。しかし今後は、活動エリアの全組合員によりよいサービスを提供できるよう、宅配を軸とした事業展開を模索していく」(岩山組合長理事)。
デジタル化と物流強化で宅配の基盤固める
宅配事業を強化するなか、コープこうべが重視するのが
生協宅配再進化! の新着記事
-
2022/10/31
ネットスーパー、生協宅配の利用割合が減少!?それでも生協が支持される理由は -
2022/10/29
高齢化進むなか若年層の獲得めざす!変わる「コープ商品」の販促施策 -
2022/10/29
生協アンケート調査 宅配高齢化、2024年問題、値上げ、燃料費高騰の影響は? -
2022/10/28
日本生協連専務理事が語る、生協のPB「コープ商品」の価格戦略 -
2022/10/28
宅配の利用単価アップを実現!生協のDXプロジェクトの実力とは -
2022/10/27
値上げで客離れ懸念のパルシステムが行う「国産飼料比率」引き上げの狙いとは
この特集の一覧はこちら [13記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-25入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-10-31上位10生協中8生協が2ケタ増益!23年度生協経営指標ランキング
- 2020-02-20#11 コープさっぽろ救済を通じ「日本の生協の危機」を回避した日本生協連の賭け
- 2024-10-28売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
- 2024-10-30消費者調査、もっとも利用された生協宅配・ネットスーパーベスト10とは
- 2023-10-26コロナ後も強い生協宅配を軸にした事業間連携で、生協はこう変わる!
- 2024-04-16書籍のブームから20年……日本生協連に移籍した「生協の白石さん」の今
- 2024-10-26新規参入が簡単ではない?コープさっぽろ、「物流で参入障壁」つくる戦略の全貌
- 2022-11-01関西小売関係者に聞いた、オーケー進出の影響 出店エリアの地域一番店の出方とは