値上げで客離れ懸念のパルシステムが行う「国産飼料比率」引き上げの狙いとは
関東を中心に1都12県で宅配事業を展開するパルシステム生活協同組合連合会(東京都/大信政一理事長:以下、パルシステム)。同連合会は新型コロナウイルス感染拡大下で組合員数、供給高(商品売上高に相当)をともに大きく伸ばした。直近では、外部環境の悪化を受けて、生産者との連携を強めるほか、若年層へのアプローチ強化などにより、選ばれる存在となることをめざしている。
第1四半期だけで200品目以上を値上げ
パルシステムの2021年度の供給高は対前年度比0.2%増の2319億円、組合員数は同2.0%増の168万人と、コロナ禍2年目でも高い利用水準を維持した。しかし21年秋以降、その状況に変化が生じている。22年第1四半期(4月~6月)の受注高(受注段階での供給高)は対前年同期比97.4%。第2四半期も、7月は99.6%に持ち直したものの、8月は96.3%に落ち込んでいる。
人々の行動の活発化といったコロナ関連要因もあるが、ここにきて大きな影響を及ぼしているのが、ウクライナ情勢に端を発する商品価格の上昇だ。パルシステムは第1四半期だけでも200品目以上の値上げを敢行。第2四半期では9月以降の値上げ品目数だけでも約70品目となり想定の約2倍に及んでいる。
パルシステム代表理事専務理事の渋澤温之氏は「こうした状況下で『何もしなければ一気に受注高が10%ほど落ちてしまう』という危機感を抱き、さまざまな施策を打っている」と現状を語る。
その代表的な施策の1つが、
1 2
生協宅配再進化! の新着記事
-
2022/10/31
ネットスーパー、生協宅配の利用割合が減少!?それでも生協が支持される理由は -
2022/10/29
高齢化進むなか若年層の獲得めざす!変わる「コープ商品」の販促施策 -
2022/10/29
生協アンケート調査 宅配高齢化、2024年問題、値上げ、燃料費高騰の影響は? -
2022/10/28
日本生協連専務理事が語る、生協のPB「コープ商品」の価格戦略 -
2022/10/28
宅配の利用単価アップを実現!生協のDXプロジェクトの実力とは -
2022/10/27
値上げで客離れ懸念のパルシステムが行う「国産飼料比率」引き上げの狙いとは
この特集の一覧はこちら [13記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-25入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-10-31上位10生協中8生協が2ケタ増益!23年度生協経営指標ランキング
- 2024-10-31日本生協連トップが語る「全商品でエシカル、健康、おいしさに対応」の中身とは
- 2024-10-28コープこうべ、宅配軸にした事業構造改革の成果
- 2024-10-28売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
- 2024-10-30消費者調査、もっとも利用された生協宅配・ネットスーパーベスト10とは
- 2024-10-31利益700億円超を組合員に還元!コープさっぽろが学ぶ先端生協の戦略とは
- 2024-10-26新規参入が簡単ではない?コープさっぽろ、「物流で参入障壁」つくる戦略の全貌
- 2024-10-26あの夢グループともコラボ みやぎ生協、斬新な施策で宅配新規加入1.7倍の舞台裏