セブンを凌ぐ、ファミマの快進撃! 足立光CMOの仕掛けはなぜ奏功しているのか

2022/05/25 05:55
田矢信二(コンビニ研究家)
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 ファミリーマート(東京都)の2022年2月期の既存店売上高伸長率は対前期比103.3%。「セブン-イレブン」は同100.7%、「ローソン」は同101.1%だったことから大手3社の中で最も高い伸長率を記録しました。

 ファミリーマートの快進撃の立役者と言えるのが、20年10月、同社初のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)に就任した足立光氏です。日本マクドナルド(東京都)在籍時には「夜マック」を提唱し同社のV字回復に貢献するなど日本を代表するマーケターとして知られています。

 なぜ足立氏の施策は成功しているのか。かつてコンビニで勤務していた私からの見解を述べます。

足立氏
ファミリーマートCMOの足立光氏

新商品と販促を
連動させて売り込む!

 最大の特徴は、新商品と販促を連動させた“つなぐ” マーケティング施策を実施している点です。コンビニでは毎週、新商品がでます。しかし、それらを売り込む施策を連動させ、販売につなげられていない店が散見されます。それに対してファミリーマートは、シンプルで分かりやすい販促策によって、全国の店舗で新商品を売り込むことが徹底できている印象を受けます。

全店で実行しやすい
「わかりやすい」施策

「クリスピーチキン」
「クリスピーチキン」は一時品切れになるほどヒット商品となった

 とくに22年2月期は、ファミリーマート創立40周年を迎えたことから、「40のいいこと!?」を掲げて、数々の新商品と連動した販促を実施しました。

 具体的には、「①もっと美味しく」、「②たのしいおトク」、「③『あなた』のうれしい」、「④食の安全・安心、地球にもやさしい」、「⑤わくわく働けるお店」の5つのキーワードに基づき、商品やサービス面で、消費者に驚きと、喜びを感じてもらうという試みです。

 その第1弾が、キャッチコピーに「ファミチキ越えの問題児」を掲げた、「クリスピーチキン」です。

 さっぱりとした鶏むね肉と、クリスピーな衣の食感が特徴で、今までにありそうでなかったコンビニ商品に仕上がっています。醤油とにんにくを使ったシンプルな味つけながらも、次の一口が欲しくなる、子供から大人まで食べれるオールラウンドな味わいです。

 これまでもファミリーマートは、魅力的な商品が多かったのですが、なかなかそれを消費者に印象づけられておらず、代表商品と言えば「ファミチキ」のみにとどまっていたように感じます。

 それが、消費者の好奇心をくすぐるキャッチコピーと、“つなぐ”販促策によって、クリスピーチキンは販売から2日間で合計200万食を突破し、1日当たりホットスナック売上ランキングにおいても「ファミチキ」を抜いて1位となる大ヒット商品となりました。

オーナー側に
「売る意志」を醸成

 足立氏の改革は、加盟店オーナーの「売る意志」の醸成にも効果を発揮していると考えます。来店客にわかりやすい販促は、加盟店オーナー側にとっても「売り込む商品や売り込む方法がわかりやすい」ことを意味します。成果が出れば、「こうすれば売れるんだ」と、オーナー側も自信がつき、新商品をしっかり売り込む習慣化ができるようになります。

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