第38回 アフターコロナで変わる!ショッピングセンターのテナントミックス前編
SCへの出店テナント減少は自明
では、セールビジネスが間違ったものかと言えばあながちそうでも無い。この季節、ECサイトでも「ブラックフライデー」という大型セールが行われるし、欧米ではクリスマス前のホリディと呼ばれるバーゲン期も年間を通して一番盛り上がる文化も健在であり、日本でも「初期低価格戦略」や「目玉商品」の集客方法を年間通して行う。
人の価格に対する感応度は高く、お客の買い物モチベーションを誘導することによって売上額を増加させるのは洋の東西を問わないようだ。
アパレル企業も努力してきた。時代の変化と消費者意識、春夏秋冬の季節の移り変わりに即したSS、FWの展示会を開き、新しい商品開発とブランドブック、店舗内装イメージ、専門の営業社員の配置など先行投資など当然リスクを負いながらのビジネスだった。
しかしレナウンのような一世を風靡した企業でも市場から退出する今の時代は、それまでのマーケティング手法が通じなくなった。少子化、人口減少、百貨店の閉鎖が進む中で企業を取り巻く環境は厳しさは増し、今後、賃料負担を伴う店舗ビジネスはアパレルを含め縮小することはあっても拡大することは考えにくい。要するにSCに出店するテナントが減少することは自明なのである。
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