【DIYショー2012】「家族で過ごす」提案に脚光!過去最大、昨年を28%上回る出店数で開催

2012/10/16 07:00
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国内最大級の住生活関連イベント「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW2012」が今年も夏休み後半の8月23日から8月25日まで3日間、幕張メッセで行われた。今回は、昨年を28%上回る国内外の466社が出展し、DIY用品に加えてペットやホビーなどを含む住生活関連用品の展示やDIY体験などが実施された。開催当日の様子をレポートする。

取材・文=太田さとし

 

目玉はトヨタとディズニー

 

 今回の主な目玉は2つ。1つは、初出店となるトヨタ自動車提供の特別企画展「匠のわざ・ふれあいゾーン」だ。

 

 トヨタが提案する話題のコンセプトカー「camatte」は、車を一種のホビーとして位置づけ、カスタマイズして親子で楽しむというコンセプトで開発されたものだ。公道を走ることはできないが、普通乗用車にも使われるガソリンエンジンを備え、簡単な操作で子どもでも運転することができる。

 

 さらに今回は、板金加工によりオーナー自身がボディを組み立てるという“究極の手づくり”も提案する。会場には、トヨタ自動車で実際に板金を指導しているスペシャリストが模範実演を披露するショーや、参加者の板金体験を行った。

 

 あくまでひとつの提案として試験的に開発したもので、市販する予定はないということだが、バイヤー、一般来場者ともに注目度は極めて高かった。

 

 目玉展示の2つ目は、ディズニー提供の「DISNEY HOME」。ディズニーキャラクターを扱う15社による共同展示で、文具や食器、その他家庭用品、インテリアから車まで、バラエティに富んだ商品を展示。一般開放日には、同ショーだけのスペシャルショップを開業し、限定商品など500アイテムを会場で販売した。

 

 ディズニーの展示は昨年に続き2度目だが、今回の狙いはずばり“大人”。「子どものころからディズニーが好きで、いまは大人になった30~40歳代の女性にも愛されるような商品の展示を意識して強化した」という。

 

 

家族で過ごす時間を楽しむ提案が人気

 

 東北大震災後の初の開催となった前回が、節電や防災対策一色に染まった感があったのに比べて、今回は、家庭で過ごす時間をより積極的に楽しむ提案をする商品が目立った印象がある。

 

 「震災以降、家族の絆や家庭で過ごすことを大切に考える意識が全国に高まり、家にいる時間をより快適に楽しみたいというニーズが強くなっている」(ある出展者)。

 

 節電対策もあり、家族がそれぞれ自分の部屋で冷暖房をつけてテレビを見ていたのをやめ、リビングに集まって過ごすようになった。そうなると、リビングで過ごす家族の時間をより快適にしたいという欲求が出てくるだろうというわけだ。

 

 実際、壁紙、張り替え用の床材、カーテンなどのホームファニチャー類、また、リビングを飾るホビー類などが多数展示されていた。

 

 自宅の床を自分でフローリングに張り替えられる床材を展示していたある出展者は「売上は去年の2倍。非常に伸びています」と手応えを感じている様子だ。

 

 また、24日からの一般開放デーには、DIYでもあまり体験することのない溶接体験ができる特別企画展「鉄工DIY溶接体験工房」や、遊びながらペイント体験できる「ペイントワンダーエキスポ」、その他各種物づくりワークショップなど親子で楽しめるイベントが行われ盛況だった。

 

 ただ、全体としては、出展者の顔触れは例年と大きく変わらず、にわかに脚光を浴びた節電や防災用品も一巡した感は否めない。出展者数が増えた要因のほとんどは海外出店。それも、中国ブースによるもので、目新しさは見られなかった。

 

 ホームファニチャー類が一部で盛り上がる気配を見せているように、家庭で過ごす時間を大切にする風潮は確実に高まっており、DIYブーム再来の兆しはある。今後、節電、防災用品に代わる新機軸をいかに打ち出していくかが重要なテーマとなるだろう。

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