政府、GoToトラベル等の運用見直し 感染拡大地域で一時停止

ロイター
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東京浅草で掲示されているGoToトラベルのポスター
政府は21日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、GoToトラベル・イートの運用見直しを決めた。全国で感染が拡大していることを踏まえ、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するほか、自治体には食事券の新規発行の停止検討などを要請する。写真は浅草で10月撮影。(2020年 ロイター/Issei Kato )

[東京 21日 ロイター] – 政府は21日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、GoToトラベル・イートの運用見直しを決めた。全国で感染が拡大していることを踏まえ、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するほか、自治体には食事券の新規発行の停止検討などを要請する。

菅義偉首相は、会議終了後に記者団に対し「政府としてできることは速やかに実行する」と述べ、GoTo事業の見直しや医療・介護事業者への国費での検査実施などを説明した。政府はこれまで、GoTo事業が感染拡大の要因になっているというエビデンス(証拠)はないとし、事業を継続するとしていたが、見直しに転じた。

GoToトラベル事業では、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約を一時停止するなどの措置を導入する。

西村康稔経済再生担当相によると、GoToトラベルを見直す地域については、感染状況や病床の現状などを踏まえ、各都道府県知事と協議していく。現在、観光庁で具体的な制度設計を進めており「できるだけ早く具体的な方向性を示したい」とした。既存の旅行予約については「キャンセル料で取りやめを躊躇しないよう、観光庁が制度設計してくれると思う」とした。新規予約停止の開始時期や感染拡大地域発の旅行の取り扱いは明確にしなかった。

また、GoToイート事業では、食事券の新規発行の一時停止や、食事券やポイント利用を控える措置を取るよう各都道府県知事に要請する。各都道府県が飲食店に対し、営業時間の短縮などを要請する際には、地方創生臨時交付金500億円で支援を行うとした。

医療・介護施設、陽性者出れば国費で検査

このほか、重症者の発生を防ぐため、医療施設や介護施設において陽性者が確認された場合には、入所者、従事者全員の検査を国の負担で行うことも決めた。

菅首相は、科学的にも効果が立証されているとして、マスクの着用の必要性を強調したほか、手洗いや3密の回避など、感染拡大防止の基本的な対応を国民に求めた。

政府は20日夜、緊急に新型コロナウイルス感染症対策分科会を開催。専門家からは、分科会で示してきた感染レベルのうちいくつかの都道府県では早晩ステージ3に至る可能性が高いと指摘があり、GoToトラベルについて運用を見直すよう提言がなされていた。

東京都では21日、過去最多となる539人が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認された。3日連続で500人を超えるなど、感染拡大が続いている。

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