消費者物価指数とは?年金給付金見直しや賃金交渉にも使われる?!消費者物価指数について徹底解説!

読み方:しょうひしゃぶっかしすう
Pocket

消費者物価指数とは

消費者物価指数とは、総務省が毎月発表している物価変動の目安である。前年同月を100として、物価の上下を数字で表すもので、CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれる。世界各国も自国のCPIを発表している。

都内の量販店
消費者物価指数とは、総務省が毎月発表している物価変動の目安である。前年同月を100として、物価の上下を数字で表すもので、CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれる。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

総務省統計局は、毎月582品目の小売価格の変動を調査して「全国の概況」と「東京都区部の概況」の2種類の指数を統計局ホームページ(https://www.stat.go.jp/data/cpi/1.html)で公表している。また、消費者物価指数には「総合」「生鮮食品を除く総合」「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の3種類がある。

基準となる品目は5年に1回見直され、家計に影響の大きい品目が選定される。2021年8月には30品目が見直され、タブレット端末、味付け肉、カット野菜などが追加され、固定電話、ビデオカメラ、辞書などが除外された。

消費者物価指数のメリット

メリットのイメージ
消費者物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれ、さまざまな経済政策を立てるときの重要な目安として使われている。

消費者物価指数は「経済の体温計」とも呼ばれ、さまざまな経済政策を立てるときの重要な目安として使われている。たとえば、日本銀行の金融政策や公共料金改定の参考にされている。

国民年金や厚生年金の給付金見直しの際も消費者物価指数が参考にされる。民間では労使の賃金交渉や家賃の改定などに影響与え、その判断材料となる。

消費者物価指数のデメリット

経済活動の重要な指標になっている消費者物価指数だが、その信頼性について疑問を呈する研究者もいる。消費者指数が具体的な消費者の購買行動を反映していないのではないかという疑問だ。

疑問点としては、次のようなものが指摘されている。

  • ディスカウント店などで安いものを多く買うという代替効果が反映されない。
  • 新製品の登場で出回り品に変化が生じても、価格調査の対象となる銘柄の変更が行われるまでにタイムラグがある。

消費者物価指数の実例

調査品目の1つに「チョコレート」があるが、消費者が買うチョコレートを代表する「銘柄」を選定するのは簡単ではない。チョコレートの価格変動の目安となるのがどんなチョコレートなのかを、具体的に決めなければならないからだ。

2020年のチョコレートの銘柄は《板チョコレート、50~55g、「明治ミルクチョコレート」「ロッテガーナミルクチョコレート」または「森永ミルクチョコレート」》となっている。

これは、市場に出回っている多くの商品の状況を調べ、メーカー情報や業界の資料などを参考にて、全国の消費者が最も多く購入しているとみられる商標や商品の特性を規定した結果である。

季節性のある衣料品は、実際に販売されない月も基準品目からは除外されない。除外してしまうと、残された品目の全体に対するウェイトが大きくなってしまうからだ。このため、季節品目の非調査月の指数は、直近の調査期間の平均指数を当てはめる「保合(もちあい)」という操作を行っている。

流通基礎用語集トップへ

関連キーワード:

人気記事ランキング

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態