2月の実質賃金、2.6%減=物価高鈍化も11カ月連続減
厚生労働省が7日発表した2月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、基本給と残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比2.6%減となった。マイナスは11カ月連続。2月は政府による電気・都市ガス代の負担軽減策の効果で物価の伸びが鈍化し、減少幅は1月(4.1%減)から縮小した。
実質賃金の算出に用いる2月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3.9%の上昇と、1月(5.1%上昇)よりも伸びは鈍化した。ただ、名目賃金は労働者1人当たり平均で27万1851円と、1.1%の増加にとどまり、物価の高騰が賃金の伸びを上回る状況が続く。
名目賃金は、正社員ら一般労働者が1.3%の増加だった一方、パートタイム労働者は3.9%増加した。1人平均の総実労働時間は2.7%増の133.7時間と、5カ月ぶりに増加。新型コロナ禍の沈静化に伴い経済活動が活発になったほか、前年より平日が多かったことも影響した。